VTuberアイアンマウス、VShojo離脱と50万ドル寄付金未払いを告発

アメリカを拠点に活動する人気VTuberのアイアンマウス(Ironmouse)さんが、所属エージェンシー「VShojo」からの離脱を正式に発表しました。この離脱の背景には、免疫不全財団(Immune Deficiency Foundation)への約7400万円(50万ドル)に及ぶ寄付金が、1年以上も支払われていないという深刻な問題があることが明かされました。現在、この問題については法的手続きが進行中であるとされています。

人気VTuberアイアンマウスがVShojo離脱と50万ドルの寄付金未払い問題について説明する様子人気VTuberアイアンマウスがVShojo離脱と50万ドルの寄付金未払い問題について説明する様子

世界的VTuberアイアンマウスの軌跡とチャリティー活動

アイアンマウスさんは、主にTwitchでの長時間配信で世界的な人気を博しているVTuberです。特に注目されたのは、視聴者からの月額制支援機能「サブスクライブ」の加入者が増えるごとに配信時間を延長する「サバソン(Subathon)」チャレンジ。この挑戦では、1ヶ月以上にわたり約900時間もの配信を続け、Twitchのサブスクライブ数で世界1位を達成するという偉業を成し遂げました。

彼女は自身が「分類不能型免疫不全症(CVID)」であることを公表しており、サバソンをはじめとする活動で得た収益の多くを、同じ病気に苦しむ人々を支援するチャリティー団体である免疫不全財団へ寄付してきました。その透明性と献身的なチャリティー活動は、多くのファンから支持されています。

VShojoとの提携と寄付金未払い問題の詳細

今回の発表動画の中で、アイアンマウスさんは、CVIDによる孤独感や、一般的な働き方が難しい状況の中で、自由に活動できる配信業が自身の支えとなっていたことを語りました。また、これまでの経験から個人情報の公開に恐怖を感じていたため、VShojoが寄付金処理などの窓口となり、彼女のプライバシー保護を担ってくれていたことが大きな安心材料であったと説明しました。

グローバルVTuberエージェンシー「VShojo」のロゴマークグローバルVTuberエージェンシー「VShojo」のロゴマーク

しかし、前回のサバソンで得られた約50万ドル(約7400万円)の収益に関して、VShojo側が1年以上が経過しても免疫不全財団への寄付を行っていないことが判明。アイアンマウスさん自身も、CVIDで苦しんでいた時期に免疫不全財団からの支援を受けていた経験があり、自身の活動が財団への多くの寄付につながることを誇りに思っていただけに、この未払い問題には深い悲しみと遺憾の意を示しています。

独立後の活動と新たな寄付への取り組み

アイアンマウスさんは、VShojoからの離脱を発表するとともに、今後は独立して活動していくことを表明しました。彼女は、今回の発表動画で得られる収益も全額免疫不全財団へ寄付することを宣言し、改めて自身のチャリティー活動への強いコミットメントを示しています。

また、慈善団体への寄付を募るためのオンラインサービス「TILTIFY」を通じて、現在も免疫不全財団への寄付を呼びかけています。TILTIFYでの取り組みでは、すでに2900万円以上(19万7309ドル)もの支援金が集まっており、ファンからの継続的な支援が寄せられています。

アイアンマウスさんの離脱と寄付金未払い問題は、VTuber業界における契約の透明性や、インフルエンサーを通じたチャリティー活動におけるエージェンシーの役割と責任について、改めて問いを投げかけるものとなるでしょう。今後の法的手続きの進展と、アイアンマウスさんの独立後の活動に注目が集まります。

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