近年、地球環境の変化や社会情勢の不安定化により、様々な食料品の価格高騰や供給不足が問題となっています。2024年の夏、日本を襲った米不足は記憶に新しいところです。猛暑による不作、外国人観光客の増加による需要の逼迫、そしてメディアの報道による不安の増幅など、様々な要因が重なり、スーパーの棚から白米が消える事態となりました。
そんな中、静かに注目を集めていたのが「もち麦」です。「米不足」という非常事態において、米のかさ増し食材として、また栄養価の高い代替食として、もち麦は多くの家庭で重宝されました。
もち麦とは?食物繊維豊富なスーパーフード
もち麦とは、大麦の一種で、もちもち・ぷちぷちとした独特の食感が特徴です。白米と比べて食物繊維が非常に豊富で、なんと玄米の4倍、白米の25倍もの食物繊維を含んでいます。食のトレンドウォッチャーであり栄養士の藤原奈津子氏によると、「もち麦は、手軽に食物繊維を摂取できるため、家族の健康を気遣う忙しい主婦層からも支持されている」とのことです。
もち麦の料理例
大麦には、粘りの少ない「うるち性の大麦」ともっちりとした食感の「もち性の大麦」の2種類があり、もち麦はその名の通り「もち性の大麦」を指します。
もち麦ブームの到来!その背景とは?
実は、もち麦が注目を集めたのは今回が初めてではありません。藤原氏によると、2017年頃にももち麦ブームが到来していたといいます。健康志向の高まりや食物繊維への関心の増加が背景にありました。そして今回、米不足という未曾有の事態によって、再びもち麦の価値が見直されることとなりました。大手穀物メーカー「はくばく」の発表によると、2024年8月の単月売上は前年比約1.4倍を記録したとのことです。これは、もち麦の人気の高まりを如実に示す数字と言えるでしょう。
もち麦の魅力:栄養価と手軽さ
もち麦の魅力は、何といってもその高い栄養価と手軽さにあります。白米に混ぜて炊くだけで、手軽に食物繊維を摂取できるため、忙しい現代人にとって最適な食材と言えるでしょう。また、もちもち・ぷちぷちとした食感は、白米だけでは物足りないという人にも満足感を与えてくれます。
もち麦ごはん
まとめ:健康と美味しさを両立するもち麦
もち麦は、食物繊維が豊富で健康に良いだけでなく、手軽に調理できるという点も大きな魅力です。米不足をきっかけに、その存在を知った人も多いのではないでしょうか。今後、健康志向の高まりとともに、もち麦は日本の食卓に欠かせない存在となる可能性を秘めています。