読売新聞社は、7月3、4両日に実施した電話とインターネットによる調査に加え、全国の総支局などの取材結果を基に、20日投開票の参院選の序盤情勢を探った。調査の結果、自民党は選挙区選で苦戦を強いられており、獲得議席が40議席程度にとどまる可能性があることが判明した。公明党との合計でも50議席前後とみられ、与党が参議院で過半数(改選125議席)を維持できるかどうかは、現時点では微妙な情勢となっている。
主要政党の戦況と議席予想
今回の参院選の最大の焦点は、自民・公明両党が改選数の過半数である63議席以上を獲得し、参院の過半数勢力を維持できるかという点にある。
自民党の選挙区情勢では、改選定数1の「1人区」において、石川、福井、鳥取・島根、山口といった保守地盤では依然として優位を保っている。しかし、東北、四国、九州地方の一部では、野党系の候補に後れを取っている選挙区も見られる。「2人区」では茨城、静岡などでそれぞれ1議席を確保する可能性が高い。一方、改選定数が3以上の選挙区では、有力候補が複数ひしめき合い、当落線上の候補者が多く、非常に混戦した情勢となっている。
公明党は、候補者を擁立した複数区のうち、埼玉、神奈川、大阪、兵庫といった地域で厳しい接戦を展開しており、予断を許さない状況だ。比例代表についても、現時点では伸び悩んでおり、改選14議席から議席数を減らす可能性が指摘されている。
立憲民主党は、長野、三重、大分などの1人区で優位に立ち、北海道、埼玉、千葉、神奈川などの複数区でもリードを保っている。比例代表の情勢も、前回選で獲得した7議席とほぼ同水準で推移しており、堅調な戦いぶりを見せている。
国民民主党は、玉木代表の地元の香川県選挙区で優勢を確立し、複数区である静岡県や愛知県でも有利に選挙戦を進めている。比例代表の情勢も好調で、公示前の勢力を倍増させる勢いが見込まれている。
参議院選挙における主要政党の予想獲得議席を示すグラフ
参政党は、東京都選挙区で議席を獲得する可能性が出てきており、比例代表選でも複数議席を確保する見込みが高く、党勢の躍進が予想されている。
日本維新の会や共産党、れいわ新選組は、それぞれ候補者を立てた複数区において、他の候補者と激しく競り合っている状況だ。日本保守党は、比例代表での参議院初の議席獲得が有力視されている。また、社民党のほか、諸派の「再生の道」、NHK党にも、比例代表や特定の選挙区で議席を獲得する可能性が浮上している。
調査概要と流動性
今回の参院選では、改選となる125議席(選挙区75議席、比例代表50議席)を巡り、計522人(選挙区350人、比例代表172人)が立候補して戦いを展開している。
調査は電話とインターネットを組み合わせて実施され、合計14万537人から有効な回答を得た。しかし、この調査には、投票する候補者や政党を明らかにしていない回答者も一定数含まれているため、現時点での情勢は依然として流動的な要素を多分に含んでおり、今後の選挙戦の展開によって変化する可能性がある点に留意が必要である。
参照元
[Source link ](https://news.yahoo.co.jp/articles/455cd56e06cb6bf03751458279fe60c5e65c4681)