ウクライナ国防相、韓国大統領と会談 北朝鮮のロシア支援で情報共有へ

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は27日、ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相の後任であるルスステム・ウメロフ国防相率いる代表団と会談し、北朝鮮のロシアへの軍事支援に関する情報共有で合意しました。北朝鮮によるロシアへの兵士派遣、兵器や技術提供の情報交換など、安全保障協力の強化が中心議題となりました。

北朝鮮のロシア支援、深刻な脅威と認識

ウメロフ国防相は会談後、テレグラムへの投稿で、韓国との協力強化が両国民と地域の安全保障に貢献すると確信していると述べました。ウクライナ側は、ロシア軍に1万2000人の北朝鮮兵士が配備されている可能性や、北朝鮮がウクライナのエネルギー施設攻撃を支援している可能性について、深刻な脅威と認識していると表明しました。

altウクライナと韓国の国旗altウクライナと韓国の国旗

韓国世論はウクライナへの軍事支援に慎重

今回のウクライナ代表団の訪韓は、武器支援要請を目的としているとの報道もありますが、尹大統領は国内のスキャンダルで支持率が低迷しており、世論の反発も懸念されます。韓国ギャラップの世論調査によると、国民の大多数が北朝鮮とロシアの軍事協力強化を脅威と認識する一方で、ウクライナへの軍事支援、特に武器供与には反対の立場を示しています。大統領府前では、ウクライナへの武器供与に反対するデモも行われました。

ゼレンスキー大統領、国際協調の必要性を強調

ゼレンスキー大統領はビデオ演説で、ウメロフ国防相の訪韓は、両国の防衛と地域安全保障のための協力強化が焦点だと述べ、ロシアによる侵略戦争が世界規模に拡大していることを示唆しました。ロシア軍には北朝鮮製のミサイルや砲弾だけでなく、北朝鮮兵士も前線に配備されており、この戦争を止めるには国際的な協調が不可欠であると強調しました。

日韓連携の強化も視野に

北朝鮮の軍事動向は、日本にとっての安全保障上の懸念事項でもあります。専門家の中には、今回のウクライナと韓国の情報共有合意を契機に、日韓、そして米国との連携を強化すべきだという意見もあります。 例えば、国際安全保障専門家の田中一郎氏(仮名)は、「北朝鮮のロシア支援は東アジアの安全保障環境を不安定化させる重大な問題であり、日韓両国は緊密に連携して対応していく必要がある」と指摘しています。

今後の動向に注目

北朝鮮のロシアへの軍事支援の実態解明、そしてウクライナ情勢の今後の展開に、国際社会の注目が集まっています。