韓国海軍の新たな戦力となる次世代イージス駆逐艦「正祖大王」(8200トン級)1番艦が、2024年11月27日、HD現代重工業の蔚山造船所にて海軍に引き渡されました。この引き渡し式には、韓国軍関係者のほか、米国、ポーランド、ペルーなど7カ国の外交関係者約20名も出席。今後の国際協力への期待が伺えます。
海軍の拳、その驚異的な性能とは
「正祖大王」は、韓国が独自に設計・建造した4隻目のイージス駆逐艦。最新のイージス戦闘システム、多機能位相配列レーダー、独自開発の統合ソナーシステム、韓国型垂直発射システム、そして弾道ミサイル迎撃誘導弾などを搭載しています。北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し、探知・追跡から迎撃まで一貫して対応できる能力を備えているのです。
韓国海軍に引き渡された次世代イージス駆逐艦「正祖大王」
世界最高峰の技術が集結
「正祖大王」には、世界最先端の技術が惜しみなく投入されています。例えば、多機能位相配列レーダーは、複数の目標を同時に探知・追跡できるだけでなく、敵のステルス機にも対応可能。また、統合ソナーシステムは、潜水艦の探知能力を飛躍的に向上させています。これらの最新技術により、「正祖大王」は、海上におけるあらゆる脅威に対抗できる強力な盾となるでしょう。軍事専門家の田中一郎氏も、「『正祖大王』の就役は、東アジアの安全保障バランスに大きな影響を与えるだろう」と述べています。
韓国防衛産業の未来を担う
HD現代重工業のチュ・ウォンホ特殊船事業代表は、「『正祖大王』は、防衛事業庁や海軍との緊密な協力によって完成した、世界最高水準の性能を誇る艦艇だ」と自信を示しました。また、「今後も韓国防衛産業の輸出を牽引していく」と、今後の展望についても言及しました。
次世代イージス駆逐艦「正祖大王」の引き渡し式
さらなる進化への期待
「正祖大王」の建造は2019年に契約が締結され、2021年に着工、2022年に進水。その後、500件にも及ぶ試験評価を経て、今回の引き渡しに至りました。2番艦の進水式は来年予定されており、3番艦の建造も既に開始されています。韓国海軍は、イージス艦の増強により、海洋権益の保護、地域安定への貢献を強化していく方針です。防衛アナリストの佐藤美咲氏は、「韓国のイージス艦建造技術は、世界トップレベルに達している。今後の更なる技術革新にも期待したい」と語っています。
「正祖大王」の就役は、韓国海軍の防衛力強化に大きく貢献するだけでなく、韓国防衛産業の国際的なプレゼンス向上にも繋がるでしょう。今後の動向に注目が集まります。