六代目山口組の分裂抗争は、2024年8月で10年目に突入しました。神戸山口組幹部の引退など動きはあるものの、抗争の終結は見通せず、先行きは不透明なままです。一体、なぜ山口組は分裂し、泥沼の抗争を続けることになったのでしょうか?本記事では、分裂の背景にある高山清司若頭の組織運営や、その謎に包まれた素顔に迫ります。
高山清司若頭:山口組分裂のキーマン
分裂の原因は諸説ありますが、高山清司若頭への反発が大きな引き金になったとされています。司忍組長に次ぐナンバー2として組織運営の実権を握っていた高山若頭は、非常に厳格な運営で知られていました。この厳しさに不満を募らせた直参組長たちが、高山若頭の服役中に離脱し、神戸山口組を結成したのです。
高山清司若頭と司忍組長
2019年10月、高山若頭が恐喝罪で服役を終え出所すると、抗争は一気に激化しました。神戸山口組側が抗争を仕掛け、六代目山口組側も報復する、という激しい応酬が繰り広げられたのです。
謎に包まれた高山若頭の素顔
高山若頭はメディアへの露出が極めて少なく、その素顔は謎に包まれています。司忍組長はメディア取材に応じることもありますが、高山若頭は沈黙を貫き、その真意を窺い知ることは困難です。
しかし、高山若頭の出所直後に発行された六代目山口組の機関紙『山口組新報』には、彼の素顔や分裂に対する考え方が垣間見える記述が多く掲載されています。警察やメディア関係者にとっても貴重な資料となっているこの機関紙の内容から、高山若頭の真意を探ってみましょう。
山口組新報に見る高山若頭
『山口組新報』では、高山若頭の社会復帰を祝う言葉が多数掲載され、金色や紅白の背景色で彩られた特別なデザインが施されていました。着物姿とスーツ姿の2枚の写真も掲載され、5年4ヶ月の懲役について「でっち上げ事件」と主張し、不当な逮捕や判決への悔しさをにじませています。
山口組新報
上告を取り下げた理由についても、「社会のルール順守」という組織の姿勢を示すためであり、国家権力の無法ぶりを明らかにするためだと説明しています。
分裂への言及
『山口組新報』では、分裂についても言及しており、高山若頭の不在時に起きたこと、そして離脱者を「修行の厳しさに音を上げた不心得者」と非難しています。
抗争の行方
高山若頭の組織運営、そして離脱者たちの不満。双方の主張がぶつかり合い、抗争は長期化しています。今後の展開は予断許さない状況であり、抗争終結への道筋は見えていません。日本の組織犯罪の歴史において、重要な転換点となる可能性もあるこの抗争。今後の動向に注目していく必要があります。
専門家A氏(犯罪社会学)は、「山口組の分裂抗争は、単なる組織内の権力闘争ではなく、日本の社会構造の変化を反映している側面もある」と指摘しています。今後の動向を注視していく必要があるでしょう。