頼清徳台湾総統、就任後初の外遊へ 太平洋島嶼国訪問で中国反発

台湾の頼清徳総統が就任後初の外遊に出発しました。ハワイなどを経由し、マーシャル諸島、ツバル、パラオといった太平洋の島嶼国を訪問する予定です。今回の外遊は、台湾の国際的な存在感を高め、外交関係を強化する狙いがあるとみられています。しかし、中国政府はこれに強く反発しています。

頼総統、太平洋島嶼国への訪問開始

頼清徳総統は、2024年8月12日から9月6日までの日程で、太平洋の島嶼国3カ国を訪問します。 訪問先には、台湾と外交関係を持つマーシャル諸島、ツバル、パラオが含まれています。外遊中、各国首脳との会談や、経済協力に関する協議などが行われる予定です。頼総統は出発に際し、「台湾が民主主義の模範であること、そして世界の平和、安定、繁栄に貢献する重要な力であることを世界に示したい」と抱負を語りました。

頼清徳総統頼清徳総統

中国、アメリカ経由に反発

中国外務省は、頼総統のハワイ経由に強く反発しています。報道官は定例会見で、「中国はアメリカと台湾のいかなる形式の公式交流にも、台湾当局の指導者のアメリカ渡航にも断固反対する」と表明しました。中国は台湾を自国の一部とみなしており、台湾の国際的な活動に対して常に神経をとがらせています。今回の外遊についても、台湾の独立志向を国際社会にアピールする試みと捉え、警戒感を強めているとみられます。

中国外務省中国外務省

太平洋島嶼国との関係強化を図る台湾

台湾は、近年、中国の圧力によって外交関係を持つ国が減少しています。そのため、太平洋島嶼国との関係強化は、台湾にとって重要な外交戦略となっています。これらの国々は、国連などの国際機関において一定の影響力を持っており、台湾にとって貴重な支持基盤となり得るからです。 専門家の中には、「台湾は、経済援助やインフラ整備支援を通じて、これらの国々との関係を深化させようとしている」と指摘する声もあります。例えば、台湾は、再生可能エネルギー分野での協力や、医療・教育分野での人材育成支援などを通じて、太平洋島嶼国との関係強化を図っています。

外遊の成果と今後の展望

今回の頼総統の外遊は、台湾の外交における試金石となるでしょう。中国の反発をかわしつつ、太平洋島嶼国との関係をどれだけ強化できるかが、今後の台湾外交の行方を左右する可能性があります。 国際社会の反応も注目されます。アメリカをはじめとする西側諸国が、台湾の外交活動をどのように評価するかが、今後の台湾と中国の関係にも影響を与える可能性があるでしょう。