中国公務員試験、倍率86倍の超難関!若者を突き動かす就職難の現実とは?

中国で週末に行われた国家公務員試験。なんと、平均倍率は過去最高の86倍! 340万人以上の受験者が、わずか4万人の募集枠を奪い合う熾烈な競争が繰り広げられました。一体なぜ、ここまで公務員を目指す若者が増えているのでしょうか?その背景にあるのは、深刻化する中国の就職難です。

就職難の波、公務員人気に拍車

北京の試験会場前には、早朝から多くの受験者が列をなしていました。中国メディアによると、今回の国家公務員試験の平均倍率は86倍超。昨年を上回り、過去最高を更新したとのことです。受験者からは、「毎年受験者数が増えている」「安定した仕事に就きたい」といった声が聞かれました。

中国では、公務員は「倒産しない鉄の茶碗」と呼ばれ、安定した職業として人気があります。近年、若者の就職難が深刻化し、都市部の若者の失業率は10月時点で17.1%に達しています。この状況が、公務員人気に拍車をかけているのです。

北京の公務員試験会場前に並ぶ受験者たち北京の公務員試験会場前に並ぶ受験者たち

1万倍超えも!人気の職種は超狭き門

人気の職種になると、競争率はなんと1万1800倍を超えるという超難関。合格を祈願する受験者たちの間では、ある“ゲン担ぎ”が流行しているようです。

北京郊外にある「上岸駅」。「上岸」はインターネットスラングで「成功する」「試験に合格する」という意味を持ちます。この駅名にあやかり、合格祈願に訪れる受験者が後を絶たないのだとか。駅周辺住民も、「試験前は若い人がたくさん来る」「写真を撮って、お守り代わりにしているのでしょう」と語っています。

合格祈願で訪れる受験者も多い「上岸駅」合格祈願で訪れる受験者も多い「上岸駅」

安定を求める若者の声

試験会場から出てきた受験者は、「競争は激しいが、今の経済状況で安定した収入は魅力的」と話しました。公務員試験の超高倍率は、まさに中国の若者が直面する厳しい雇用情勢を反映していると言えるでしょう。

専門家の見解

人事コンサルタントの李氏(仮名)は、「経済の減速と民間企業の採用抑制が、公務員人気をさらに高めている。優秀な人材が公務部門に集中する一方で、民間企業の活力低下が懸念される」と指摘しています。

公務員という選択肢

厳しい就職難の中、公務員は若者にとって魅力的な選択肢の一つとなっています。安定を求める声は、中国経済の現状を浮き彫りにしていると言えるでしょう。今後の動向に注目が集まります。