松本若菜主演の秋ドラマ「わたしの宝物」(フジテレビ系)は、世帯視聴率こそ5%前後と低迷しているものの、TVerのお気に入り登録数は116万超えと今期ドラマでトップを独走中(12月2日時点)。この意外な人気の理由を探ります。
賛否両論のストーリー展開
「わたしの宝物」は、“托卵”というセンシティブなテーマを扱った愛憎劇です。夫のモラハラに苦しむ美羽(松本若菜)は、中学時代の恋人・冬月(深澤辰哉)と再会し、子供を身籠ります。しかし、冬月の死を知った美羽は、子供を守るため夫・宏樹(田中圭)の子として出産。モラハラから一転、優しい夫に戻った宏樹と子育てをする中、死んだはずの冬月が再び現れ…という波乱の展開です。
松本若菜と田中圭
このストーリーに対し、ネット上では「昔の恋人との再会と妊娠がご都合主義すぎる」「登場人物の行動が身勝手」といった批判的な意見がある一方、「田中圭の演技の幅が凄い」「北村一輝の存在感が光る」「昼ドラのような展開にハマる」といった肯定的な声も上がっています。
専門家の見解は?
テレビコラムニストの亀井徳明氏は、「オジサン層には受け入れづらい部分もある」と指摘します。特に「托卵」という言葉の使い方が不適切だと感じている視聴者もいるようです。本来、鳥類に見られる托卵とは意味合いが異なり、人間の複雑な心理描写を表現するには相応しくないという意見です。
また、公式HPで「松本若菜が悪女を演じる」と謳っている点についても、亀井氏は疑問を呈しています。「美羽の行動は必ずしも悪女とは言い切れない。女性目線では共感できる部分も多いはず」と述べ、SNSでの話題性を狙った過剰な表現に違和感を覚える視聴者もいるようです。
なぜTVerで人気なのか?
では、なぜ「わたしの宝物」はTVerで高い人気を誇るのでしょうか? 考えられる理由の一つは、見逃し配信の利便性です。リアルタイムで視聴できない層でも、好きな時間に好きな場所でドラマを楽しむことができます。また、SNSでの口コミ効果も大きいでしょう。賛否両論の意見が飛び交うことで、ドラマへの関心が高まり、視聴者を増やすことに繋がっていると考えられます。
若年層への訴求力
さらに、TVerの主要ユーザー層である若年層には、ドロドロとした愛憎劇や複雑な人間関係が新鮮に映るのかもしれません。ベテラン俳優陣の演技力に加え、深澤辰哉などの人気アイドルの出演も、若年層の視聴者を惹きつけている要因と言えるでしょう。
まとめ
「わたしの宝物」は、賛否両論ありながらも多くの視聴者の心を掴んでいる作品です。TVerでの人気は、現代のドラマ視聴スタイルの変化を象徴していると言えるでしょう。今後、視聴率と配信数のギャップがどのように縮まっていくのか、注目が集まります。