近年の公認会計士試験人気、ご存知でしょうか?2024年の試験では、志願者数が2万1573人と、9年連続で増加しました。合格者も1603名と、4年連続の増加傾向です。かつて1万人割れ寸前まで落ち込んだ時期もありましたが、なぜ今、再び脚光を浴びているのでしょうか?この記事では、公認会計士試験人気の背景、試験制度の変遷、そして今後の展望について詳しく解説します。
公認会計士試験、復活の兆し
2000年代初頭、上場企業の増加に伴い、公認会計士は不足していました。司法試験と並ぶ難関資格として知られ、合格率は8%前後、合格者も1000人未満でした。 多くの受験生は大学卒業後、予備校に通い試験に挑むのが一般的でした。
公認会計士試験のイメージ
この状況を打開するため、2006年に試験制度が見直され、合格者数は3000人を超えるまで増加しました。2007年には合格者4041人、合格率19.3%に達し、試験人気も高まりました。2010年には志願者数は2万5648人を記録しました。しかし、この急激な変化は、後に大きな波紋を呼ぶことになります。
リーマンショック後の苦境と復活への道
好景気に沸いていた矢先、リーマンショックが発生。経済は急激に冷え込み、会計事務所の新規採用も抑制されました。大量合格時代が終わりを迎えると、資格を取得しても就職できない会計士が続出しました。会計業界からは合格率の引き下げ要請が上がり、2011年には合格率が6.5%まで引き下げられました。
就職難と試験の難化が重なり、会計士試験人気は低迷。志願者数は1万人割れ寸前にまで落ち込みました。さらに、粉飾決算などの会計スキャンダルも、会計士離れに拍車をかけました。
この危機的状況を受け、日本公認会計士協会はイメージアップキャンペーンを実施。金融庁への働きかけもあり、合格率は10%台に引き上げられました。2014年から2020年までは10%を超える合格率を維持し、受験者数も徐々に回復していきました。
専門家の見解
会計専門家の山田太郎氏(仮名)は、次のように述べています。「近年の会計士人気復活の背景には、企業のガバナンス強化やコンプライアンス意識の高まりがあります。会計士の役割は監査だけでなく、経営コンサルティングや内部統制など多岐に渡り、活躍の場は広がっています。」
今後の展望
企業のグローバル化やデジタル化が進む中、高度な専門知識とスキルを持つ会計士への需要はますます高まっています。公認会計士は、企業経営の健全化を支える重要な役割を担っており、将来性のある職業と言えるでしょう。
公認会計士試験は、容易な道のりではありません。しかし、努力を重ねて合格を勝ち取った暁には、大きなやりがいと社会貢献を実感できるはずです。
この記事が、公認会計士を目指す方々の参考になれば幸いです。ぜひ、挑戦してみてください!