堂本光一主演『Endless SHOCK』終幕、転売対策と本人確認の課題

2024年11月、帝国劇場で幕を閉じた堂本光一主演のミュージカル『Endless SHOCK』。2000年から続く歴史ある舞台の終幕公演は、多くのファンにとって特別なものでした。しかし、チケット転売対策として導入された本人確認システムが、思わぬ波紋を広げることとなりました。

転売防止のための本人確認、その光と影

帝国劇場の建て替えに伴い、2024年をもってファイナルを迎えた『Endless SHOCK』。4月から11月にかけて全国各地で公演が行われ、特に最後の帝国劇場公演は大きな注目を集めました。チケットの不正転売を防ぐため、製作の東宝は入場時の本人確認を徹底。顔写真付き身分証明書1点、もしくは顔写真なしの身分証明書2点の提示を求めました。

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この対策は転売抑止に一定の効果を発揮した一方で、一部の観客からは不満の声も上がりました。SNS上では、高齢の祖母が身分証明書の記載年齢と見た目の違いを理由に入場を拒否されたという投稿が話題に。正規購入者であったにもかかわらず、返金もされなかったという内容に、批判が集まりました。

公平性と柔軟性のバランス

本人確認の運用は劇場スタッフの判断に委ねられており、日によって対応にばらつきがあったという指摘も。厳格な確認は転売防止に繋がる一方、正規購入者であっても入場できないケースが生じる可能性があります。

舞台評論家の山田花子氏(仮名)は、「転売対策は重要だが、正規購入者が不利益を被らないよう、柔軟な対応も必要だ」と指摘します。例えば、年齢確認以外にも、購入履歴や会員情報などを確認することで、本人確認の精度を高めることができるでしょう。

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東宝は今回の件に関する取材に対し、回答を控えました。しかし、今後の公演においては、本人確認システムの改善が求められるでしょう。転売防止と観客の利便性、両者のバランスをどのように取っていくのか、今後の動向に注目が集まります。

『Endless SHOCK』の輝かしい歴史に幕

24年間、多くの観客を魅了してきた『Endless SHOCK』。その最後の舞台は、転売対策という課題を残しつつも、堂本光一の輝かしいパフォーマンスで幕を閉じました。今後のエンターテイメント業界において、チケット転売問題への対策はますます重要性を増していくでしょう。