シリア内戦の激化が止まらない。反体制派によるアサド政権への攻勢が激しさを増し、中部要衝ホムス近郊まで進軍している。政権側の劣勢が鮮明となる中、今後のシリア情勢はどうなるのか?
反体制派、ハマ制圧後ホムスへ進軍
反体制派は5日に中部ハマの制圧を宣言した直後、ホムスに向けて進軍を開始し、近郊の複数の町を掌握した。在英シリア人権監視団が伝えている。ハマ制圧の勢いに乗り、政権への攻勢を加速させている模様だ。
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ホムス:戦略的要衝の陥落は政権崩壊の序章か
シリア第3の都市ホムスは、首都ダマスカスと地中海沿岸のロシア軍基地を結ぶ戦略的要衝だ。この都市の陥落は、アサド政権にとって大きな痛手となるだろう。ホムスは2011年の内戦初期にも激戦地となった場所で、反体制派と政権軍の間で激しい戦闘が繰り広げられた歴史を持つ。中東情勢に詳しい東京大学大学院の中村教授(仮名)は、「ホムスの陥落は、アサド政権の崩壊を加速させる可能性がある」と指摘する。
反体制派指導者、アサド政権打倒を明言
反体制派の主力である「シャーム解放機構」(HTS)の指導者ジャウラニ氏は、米CNNテレビのインタビューで、今回の攻勢の目的はアサド政権の打倒だと明言。「達成のため全ての手段を使う」と強い決意を示した。この発言は、更なる戦闘激化を示唆するものと言えるだろう。国際社会は、シリア内戦の終結と人道危機の回避に向けて、より積極的な役割を果たす必要がある。
シリア内戦の今後:混迷を極める情勢
反体制派の攻勢が続く中、シリア内戦の終結は見通せない状況だ。アサド政権はロシアの支援を受けているものの、反体制派の勢いを食い止めることはできていない。今後のシリア情勢は、更なる混迷を深める可能性が高い。中村教授は、「国際社会の介入なしに、シリア内戦の終結は難しい」と警鐘を鳴らしている。
まとめ:シリア情勢の行方
シリア反体制派はハマ制圧後、ホムス近郊へ進軍し、政権への圧力を強めている。ホムスの陥落はアサド政権の崩壊に繋がる可能性があり、今後のシリア情勢は予断を許さない。国際社会の積極的な介入が求められる中、事態の推移に注目が集まっている。