韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案可決の可能性が現実味を帯びてきました。これまで弾劾に否定的だった与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が賛成に転じ、政権の存続はまさに風前の灯火です。jp24h.comでは、この緊迫する韓国政局の現状と今後の展望について詳しく解説します。
与党代表、弾劾訴追に賛成表明の衝撃
これまで弾劾に慎重な姿勢を見せていた与党「国民の力」の韓東勲代表が6日、突如として賛成を表明しました。「国民を大きな危険に陥れる恐れがある」と述べ、尹大統領が3日に宣言した「非常戒厳」に言及。主要な政治家を逮捕・収監しようとしたことが理由だと説明しました。
韓国野党「共に民主党」の李在明代表
当初、与党内では「戒厳の違法性と弾劾の必要性は区別すべき」との意見が大勢を占めていました。2016年の朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾訴追と罷免の記憶も新しく、党分裂と政権交代を招いたトラウマから、弾劾には消極的でした。
与党内の動揺と野党への政権交代の懸念
尹大統領の弾劾と罷免、そして早期の大統領選実施となれば、再び野党に政権が渡る可能性が高まります。国民の力の尹相現(ユン・サンヒョン)議員は、自身のFacebookで「このまま無気力に李在明(イ・ジェミョン)代表の民主党に政権を献上することはできない」と訴え、弾劾反対の立場を明確にしています。
李在明代表と大統領選への影響
李在明代表は、市長時代の都市開発に絡む汚職疑惑などで現在5件の裁判を抱えています。11月に出た判決のうち1件は懲役1年、執行猶予2年の有罪、もう1件は無罪となりました。最高裁で有罪が確定すれば、2027年の大統領選への出馬は不可能となります。
李代表は最高裁まで争う姿勢を見せており、来年前半には確定判決が出るとみられています。もし尹大統領が罷免され、大統領選が前倒しになれば、李氏に出馬の道が開かれる可能性も出てきます。
韓国ギャラップの世論調査(12月3~5日実施)では、「将来の大統領候補」として李氏が29%でトップ、韓氏が11%で2位につけています。
弾劾訴追後の流れと大統領選の行方
弾劾訴追案が可決された場合、憲法裁判所が180日以内に妥当性を判断します。罷免が決定すれば、60日以内に大統領選が行われます。
韓国政局は、尹大統領の弾劾をめぐり大きく揺れています。今後の動向次第では、大統領選の前倒し実施や野党への政権交代など、韓国政治の大きな転換点となる可能性も秘めています。jp24h.comは、引き続きこの重要な局面を注視し、最新情報をお届けしていきます。