韓国政局が緊迫の度を増しています。与党「国民の力」の韓東勲代表は、尹錫悦大統領が戒厳令発令後に主要政治家の逮捕を計画していたと発表し、大統領の職務執行停止を要求しました。この衝撃的な発言を受け、野党が提出した弾劾訴追案への与党の賛成に傾く動きが見られ、尹大統領の進退問題が一気に加速しています。
戒厳令後の逮捕計画、国民の力代表が暴露
韓代表は6日午前、ソウル市内で開かれた党緊急最高委員会議にて、尹大統領が戒厳令発令後、軍の防諜司令官に対し、反国家勢力という理由で主要政治家らを逮捕するよう指示し、情報機関を動員していた事実を確認したと発言しました。逮捕対象となった政治家の名前は明かされていませんが、防諜司令官は逮捕者を京畿道果川の収監施設に連行する計画だったとされています。
ソウルで記者会見に臨む与党「国民の力」の韓代表
この情報は信頼できる筋からの情報だと韓代表は強調しており、韓国紙・朝鮮日報も6日、複数の情報筋の話として、尹大統領が戒厳令を出した3日夜、国家情報院幹部に韓代表の逮捕を指示したが拒否されたと報じています。
弾劾訴追案可決へ、大統領の職務停止の可能性
国民の力は当初、弾劾訴追案に反対する方針でしたが、韓代表の発言を受け、党内では弾劾賛成に傾く動きが強まっています。政治アナリストのキム・ヨンチョル氏(仮名)は、「今回の韓代表の発言は、与党内でも尹大統領への不信感が高まっていることの表れだ」と分析しています。
国会の様子
弾劾訴追案の可決には、国会(定数300)の在籍議員の3分の2以上の賛成が必要となります。国民の力(108議席)が反対すれば否決できるものの、賛成に回れば可決は確実な情勢です。可決された場合、大統領の権限は即時停止され、180日以内に憲法裁判所で弾劾審判が行われます。
尹大統領の今後の動向に注目
韓代表は、尹大統領が職務を続ける場合、同様の極端な行動が繰り返される恐れがあり、国と国民を大きな危険にさらす可能性があると警告しています。今後の政局の行方は予断を許さない状況であり、尹大統領の動向に国内外の注目が集まっています。
街の様子
韓国政治専門家のパク・ミンジュン氏(仮名)は、「今回の事態は韓国の民主主義にとって大きな試練となるだろう。今後の展開によっては、政治的混乱が長期化する可能性もある」と指摘しています。