韓国政局は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が戒厳令を宣布したことで大きな混乱に陥っています。7日午前に国民向け談話を発表し、戒厳令について謝罪した尹大統領。今後の政局はどうなるのでしょうか?この記事では、尹大統領の談話内容、弾劾訴追案の採決の行方、そして韓国国民の反応など、最新の情報を詳しくお伝えします。
戒厳令宣布から謝罪、そして弾劾訴追へ 揺れ動く韓国政局
3日に戒厳令を宣布した尹大統領は、7日午前10時、国民向けの談話を発表し謝罪しました。談話では、「任期を含め党に一任する」と述べ、自身の進退を与党「国民の力」に委ねる考えを示しました。これは、大統領自身が任期短縮の可能性に言及した初めてのケースです。4日の戒厳令解除発表以降、公の場に姿を現していなかった尹大統領の発言は、弾劾訴追案の採決を前に、与党議員に結束を促す狙いがあると見られています。
尹大統領が国民向け談話で謝罪
5日に弾劾反対の方針を決めていた与党「国民の力」ですが、韓東勲(ハン・ドンフン)代表が6日に「職務執行停止が必要だ」と発言したことで、党内からも弾劾賛成の声が上がっていました。尹大統領の謝罪表明によって、採決直前まで予断を許さない状況が続いています。
談話の内容と国民の反応は?
大統領府で行われた談話はテレビで生中継されました。尹大統領は、弾劾訴追案や野党からの内乱罪での告発に触れ、「法的、政治的な責任問題を回避しない」と表明。「第2の戒厳のようなことは決してない」と約束しました。
読売新聞による写真
しかし、国民の不安は依然として払拭されていません。戒厳令宣布の背景や真意、今後の政局の安定性など、多くの疑問が残されています。SNS上では、尹大統領の謝罪に納得できないという声や、今後の政治運営への不安を訴える声が多数見られます。韓国の主要メディアも、今回の事態を重大な政治危機として報道しており、国民の関心は非常に高い状況です。
弾劾訴追案可決の可能性は?今後の韓国政局を占う
国会は7日午前に、弾劾訴追案の採決を行う国会本会議を午後5時に開くと発表しました。可決には、国会(定数300)の在籍議員の3分の2以上の賛成が必要です。野党と無所属議員計192人に加え、与党「国民の力」(108議席)から8人以上の賛成が必要となります。可決された場合、尹氏の大統領権限は即時に停止され、憲法裁判所で弾劾審判が行われます。弾劾が決まれば失職となります。
尹氏の談話発表後、韓代表は「正常な職務遂行は不可能で大統領の早期退陣は避けられない。国と国民のための最善の方法を議論する」と報道陣に語りました。「国民の力」は、改めて採決への対応を協議する見通しです。報道によると、党内では尹氏に近い議員だけでなく、韓氏に近い議員からも弾劾反対の声が上がっており、談話発表を受けて反対論が強まる可能性も指摘されています。今後の韓国政局は、まさに予断を許さない状況となっています。