ガザ北部カマル・アドワン病院で悲劇的な事件が発生しました。イスラエル軍による病院敷地内への突入と周辺地域への攻撃により、医師4人が死亡、数十人が死傷したと報じられています。この記事では、現場の目撃情報や病院関係者の証言を元に、この衝撃的な出来事を詳しく解説します。
イスラエル軍による病院襲撃:何が起きたのか?
カマル・アドワン病院院長フッサム・アブ・サフィヤ氏の声明によると、6日未明、イスラエル軍の私服使者2人が病院に現れ、メガホンで避難を呼びかけました。その後、2時間にわたる急襲で多数の若者、医療従事者、そして戦禍を逃れてきたパレスチナ人らが拘束されました。
病院は軍用車に包囲され、イスラエルのクアッドコプターによる激しい攻撃を受けたとアブ・サフィヤ氏は証言しています。患者、避難民、医療従事者は中庭に集められ、ガザ市南部の検問所へ強制的に連行されました。病院の北側と西側でも空爆が行われたとの情報もあります。
altガザ北部カマル・アドワン病院の中庭に並べられた遺体
検問所へ向かう途中、病院周辺の路上には数百人の死傷者が横たわっており、アブ・サフィヤ氏を含む病院関係者は大きな衝撃を受けたといいます。数時間後、イスラエル国防軍(IDF)は病院から撤退しましたが、カマル・アドワン病院はガザ北部で稼働を続ける数少ない医療施設の一つであり、その損害は計り知れません。
病院の惨状:多数の死傷者、破壊された医療機器
アブ・サフィヤ氏がソーシャルメディアに投稿した写真には、布で覆われた少なくとも17人の遺体が病院の中庭に横たわる様子が写っています。さらに20人が負傷し、緊急の治療が必要な状態でした。酸素発生器も破壊され、現在病院で救命治療を行えるのは経験の浅い医師2人だけだとアブ・サフィヤ氏は訴えています。
ガザ保健省によると、病院周辺の家屋に対するイスラエル軍の爆撃で少なくとも30人が死亡しました。病院内では、医療従事者が幼い子どもを含む負傷者の治療に懸命にあたっていますが、多くの人が傷の痛みにうめき声を上げ、床に倒れたまま動けない人もいるという悲惨な状況です。
イスラエル国防軍の主張と反論
IDFはCNNへの声明で、カマル・アドワン病院内での爆撃や作戦行動を否定し、戦闘は「テロ施設及びテロリスト」に対するもので、病院が近接するジャバリア地域で行われたと主張しています。しかし、病院関係者や目撃者の証言はIDFの主張と大きく食い違っており、真相究明が求められています。
今、私たちにできること
この悲劇的な事件は、ガザ地区における人道危機の深刻さを改めて浮き彫りにしました。医療施設への攻撃は国際人道法に違反する行為であり、厳しく非難されるべきです。国際社会は、ガザ地区の民間人を保護し、人道支援を届けるために、より積極的な役割を果たす必要があります。
ガザ地区の現状について、引き続きjp24h.comで最新情報をお届けします。