コンゴ民主共和国で発生している原因不明の病気が懸念を広げています。インフルエンザに似た症状を示し、死者も出ているこの病気について、詳しく見ていきましょう。
コンゴで謎の病気流行、死者71人に
コンゴ民主共和国で原因不明の病気が流行し、深刻な事態となっています。地元保健当局によると、わずか1か月で376人以上の患者が確認され、そのうち71人が死亡しています。
コンゴの医療現場
WHOも警戒、若年層への影響は?
この病気の症状は発熱、頭痛、鼻水、咳、呼吸困難など、インフルエンザに似ています。特筆すべきは患者の年齢層で、10代の若者に多く発症しており、死亡者の大半は15歳から18歳です。通常、若年層は免疫力が高いと考えられるため、この事実は懸念を増大させています。世界保健機関(WHO)も事態を重く見て、被害の拡大に警戒を強め、原因究明のためのサンプル採取を開始しています。
WHOのロゴ
感染症専門家の見解
新型コロナウイルス対策の第一人者として知られる大阪大学医学部の忽那賢志教授(仮名)は、この病気について「集団感染していることから感染症の可能性が高い」と述べています。しかし、情報が限られている現状では断定的な判断は難しいともしています。若年層への感染集中についても、全体の患者数が正確に把握されていない可能性を指摘し、現時点ではこの病気の特徴とは言い切れないとしています。
医師が診察している様子
世界的流行の可能性は?
忽那教授は、コンゴの衛生環境や医療体制の脆弱性を考慮すると、病気が首都キンシャサなどの都市部に拡大した場合、他国への波及、ひいては日本への侵入も否定できないと警告しています。ただし、地理的な距離や日本への直行便がないことから、現時点では過度な心配は無用とのことです。厚生労働省も関係機関と連携し、情報収集に努めていると発表しています。
世界地図
コンゴで発生しているこの原因不明の病気は、依然として多くの謎に包まれています。今後の情報に注意し、冷静な対応を心がけましょう.