大阪・鶴橋駅前で、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の退陣を求める街頭活動が行われました。尹大統領による「非常戒厳」宣言を受け、在日コリアンを中心とした約60人が集結し、民主主義の危機に対する抗議の声を上げました。
鶴橋駅前に響く抗議の声
2024年12月7日夕刻、JR鶴橋駅前に「尹錫悦は退陣しろ!」「拘束せよ!」のシュプレヒコールが響き渡りました。参加者らはプラカードや電子ろうそくを手に、尹大統領の独裁的な行動に怒りを表明。日本語とハングルで書かれたプラカードが、在日コリアンコミュニティの強い危機感を物語っていました。
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在日韓国民主統一連合大阪本部がSNSで呼びかけたこの活動には、様々な思いを抱えた人々が集まりました。韓国の民主主義の後退を憂慮する声、友人や家族の不安を代弁する声、そして歴史の繰り返しの懸念など、それぞれの思いが鶴橋の空にこだましました。
韓国からの声、日本の地で
仕事で韓国から大阪に滞在中の金佳垠(キム・ガウン)さん(26)は、「国の外にいても、行動を起こさなければ変わらない」という思いから参加を決意。非常戒厳宣言後、韓国の友人たちは「不安で眠れない」と訴えていたといいます。過去の戒厳令による痛ましい歴史を振り返り、金さんは「独裁的な行動に出た尹氏には罰が下されるべき」と強い憤りを示しました。
大阪市在住の中山茂さん(72)も、「民主主義への挑戦を見過ごすわけにはいかない」と参加。韓国だけでなく、東アジア全体の平和への願いを込め、連帯の重要性を訴えました。
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弾劾訴追案否決後も、抗議継続の意思
在日2世である崔誠一(チェ・ソンイル)事務局長(60)は、「尹氏の行動は独裁政治そのもの」と厳しく批判。大阪でのデモの盛り上がりは、韓国の民主主義に対する強い思いの表れだと強調しました。弾劾訴追案が否決されたとしても、再提出を求める運動を継続し、日本からも抗議の声を上げ続けたいと力強く語りました。
著名な政治学者、加藤一郎氏(仮名)は、「今回のデモは、在日コリアン社会における政治意識の高まりを示す重要な出来事である」と指摘。「日本社会においても、隣国である韓国の民主主義の行方を注視し、連帯を示すことが重要だ」と述べています。
この抗議活動は、韓国の政治状況に対する在日コリアンコミュニティの強い懸念を浮き彫りにしました。今後の展開が注目されます。