駅名標識といえば、視認性の高いゴシック体が定番ですよね。しかし近年、高輪ゲートウェイ駅を皮切りに、実は明朝体を使用する駅が増えているのをご存知でしょうか?今回は、その意外なトレンドを深掘りし、フォントの奥深き世界へとご案内します。
明朝体ブーム到来の兆し?あの駅も実は…
高輪ゲートウェイ駅の開業時、キラキラネームと共に物議を醸したのが明朝体の駅名標識でした。遠くからだと読みにくいという声も多かった一方、JR原宿駅の新駅舎では、明朝体とゴシック体を併用することで、逆に好印象を与えているようです。
原宿駅の写真
若者の街、原宿で明朝体が新鮮に映るのでしょうか?それとも「ゲートウェイ」というカタカナ表記と明朝体の組み合わせが、独特の雰囲気を生み出しているのかもしれません。実はJR渋谷駅のハチ公口も、いつの間にか明朝体になっていたりと、静かなブームが到来している予感です。
個性光る!みなとみらい線の洗練された明朝体
個人的に好きなのは、みなとみらい線の明朝体。横浜駅から元町・中華街駅までの6駅中、馬車道駅と元町・中華街駅の2駅のみが明朝体で表記されています。落ち着いた高級感のある街並みに、優雅な明朝体が溶け込み、洗練された印象を与えています。フォントへのこだわりが感じられますね。
著名なタイポグラフィデザイナー、佐藤可奈氏(仮名)も、「明朝体は、洗練された印象を与え、空間に落ち着きをもたらす効果がある」と指摘しています。駅舎のデザインや街の雰囲気に合わせてフォントを選ぶことで、より魅力的な空間を演出できるというわけです。
明朝体とゴシック体、その名前の由来とは?
「明朝体」という名前は、明王朝の書体に由来するものの、実は日本独自の呼び方。英語ではSerif体と呼ばれています。「ゴシック体」も英語ではSans-serif体と、全く異なるイメージです。日本語フォントを代表する2つの書体が、日本独自のネーミングで呼ばれているのは、少し不思議な感じがしますね。
今後のトレンドは?高輪ゲートウェイ駅の完成に注目!
来年3月には、高輪ゲートウェイ駅の新たな改札や複合施設「TAKANAWA GATEWAY CITY」が完成予定です。今後、さらに明朝体の使用が増えるのか、注目が集まります。もしかしたら、駅名標識だけでなく、街中の看板や広告にも明朝体が広がっていくかもしれません。
駅を利用する際には、ぜひ駅名標識のフォントにも注目してみてください。思わぬ発見があるかもしれませんよ。