中国経済の減縮と技術革新の光と影が交錯する中、2024年11月末から12月初めにかけて中国を訪問する機会を得ました。広州での国際会議への参加が主目的でしたが、当初予定されていた習近平国家主席との会談は、急遽丁薛祥副首相との会談に変更となりました。中国政治の流動性を肌で感じる出来事でした。
習近平氏不在の驚きと丁薛祥氏への期待
12月2日朝、習近平国家主席との会談が、丁薛祥副首相との会談に変更されたという知らせを受けました。中国ではよくあることとはいえ、突然の変更に驚きを隠せませんでした。しかし、丁薛祥氏は習近平国家主席の後継者と目される重要人物。ある中国専門家は、習近平氏に会うよりも意義深いとの見方を示しており、私自身も期待に胸を膨らませました。
人民大会堂での丁薛祥副首相との会談の様子
人民大会堂での異例の待遇
会場は荘厳な人民大会堂。通常、スマートフォンなどの電子機器の持ち込みは厳しく制限されていますが、今回は海外からのVIPということで特別に許可されました。丁薛祥副首相と談笑しながら記念撮影をしたり、会議の内容をスマートフォンにメモして日本の記者団に速報したりと、貴重な体験となりました。
丁薛祥氏の経歴と習近平氏との関係
丁薛祥氏は1962年生まれの62歳。燕山大学の前身である東北重型機械学院で鍛造工程を専攻後、中国共産党に入党。復旦大学で行政管理を学び、理学修士号を取得しています。上海材料研究所での研究員としてのキャリアを経て、上海市政府で要職を歴任。2007年には上海市党委員会秘書長に就任しました。
2003年、習近平氏が上海市党委員会書記に就任した際、丁薛祥氏は秘書長として支えました。この経験が習近平氏の信頼を得る礎となり、現在の副首相の地位へと導いたといわれています。
上海での出会い:二人の絆
上海での共働期間は、二人の強い絆を築く上で重要な役割を果たしました。丁薛祥氏の緻密な仕事ぶりと誠実な人柄は、習近平氏から高く評価されていたと言われています。
中国の現状:経済不況と技術革新
今回の訪中では、中国経済の減速による社会不安の高まりを目の当たりにしました。一方で、自動運転技術など先端技術分野における目覚ましい発展にも驚かされました。広州では、完全自動運転の無人タクシーに試乗する機会もあり、中国の技術革新のスピードを体感しました。
未来への展望:中国の進む道
経済の減速と技術革新の加速、この二つの相反する潮流の中で、中国はどのような未来を描いているのでしょうか。丁薛祥副首相との会談を通じて、中国の未来への展望を垣間見ることができたように感じます。
まとめ:中国の未来を担う人物との出会い
今回の訪中は、中国の現状と未来への課題を肌で感じる貴重な経験となりました。特に、丁薛祥副首相との会談は、中国政治のダイナミズムを理解する上で大きな収穫でした。今後の中国の動向に注目していきたいと思います。