ダンカンさんの妻、初美さんは2014年に乳がんでこの世を去りました。右胸から始まり、左胸、肝臓、そして脳へと転移していく病と、どのように向き合ったのでしょうか。今回は、ダンカンさんへのインタビューを通して、初美さんの強さと家族の絆を描きます。
初期の乳がん発覚：笑顔で立ち向かう家族
2005年、次男の虎太郎さんが小学生の頃、初美さんは乳がんと診断されました。ダンカンさん自身、乳がんについての知識は乏しく、どこか現実感がなかったと言います。初美さんも、深刻になりすぎることなく、家族みんなで前向きに病気と向き合うことを選んだのです。
ダンカンさんと奥様のツーショット写真
部分切除手術後、抗がん剤治療が始まり、初美さんの髪は抜け落ちました。しかし、彼女はウィッグを家族で被り合うなど、ユーモアを交えて明るく振る舞っていました。運転中に煽られた際には、サングラスとウィッグを外し、威圧する表情で相手を驚かせたというエピソードも。味覚の変化はあったものの、体力的には普段と変わらず、家族のために笑顔を絶やさなかった初美さんの姿が目に浮かびます。
再発、そして転移：それでも希望を捨てなかった初美さん
右胸の乳がん発覚から3年後の2008年、左胸にも乳がんが見つかりました。さらに2011年には肝臓、2013年には脳への転移も判明。ダンカンさんは「戦うしかない」と覚悟を決めたと言います。家族で話し合った結果、乳房全摘手術を受けることになりました。
当時、山田邦子さんも乳がんを患っていたため、ダンカンさんは相談し、初美さんも励まされていたそうです。胸を失う悲しみよりも、前向きに治療に臨むことを選んだ初美さん。手術後には友人夫婦と温泉旅行へ行き、露天風呂で「大丈夫？」と尋ねられた際にも「全然大丈夫」と答えていたといいます。
乳がん治療の専門家、佐藤先生（仮名）は、「再発や転移を経験しても、前向きに治療に取り組むことは非常に重要です。初美さんのように、周りの人に支えられながら、自分らしく生きることが、治療のモチベーション維持につながります」と語っています。
初美さんの強さ、そして家族の愛
初美さんは、辛い闘病生活の中でも、常に明るく、家族を支え続けました。彼女の強さと明るさは、家族にとって大きな力となり、深い絆を築き上げたのです。この記事が、乳がんと闘う方々、そしてそのご家族にとって、少しでも希望の光となることを願っています。
