タイ第二の都市、古都チェンマイ。近年、多くの中国人がこの地を第二の故郷として選ぶようになっている現状をご存知でしょうか。観光地として人気を集めるチェンマイですが、その背景には、魅力的な不動産価格や生活環境、そして中国からのアクセスの良さなど、様々な要因が絡み合っています。この記事では、中国人がチェンマイに惹かれる理由を深く掘り下げ、その現状を分かりやすく解説します。
チェンマイの不動産:中国人に人気の理由
過去10年間で、中国人はチェンマイで1000戸以上の住宅を購入しており、その総額は30億~50億バーツ(約132億~約220億円)にものぼります。1戸あたりの平均価格は約300万バーツ(約1317万円)と、中国の都市部と比較すると、驚くほどリーズナブルな価格設定となっています。
チェンマイの街並み
チェンマイの不動産価格の魅力について、タイの不動産専門家であるソムチャイ氏は、「チェンマイは自然豊かで、生活費も比較的安価であるため、中国の中間層にとって魅力的な選択肢となっている」と指摘しています。
中国人街の形成:チェンマイの街並みの変化
中国資本の不動産会社による開発も活発化しています。例えば、チェンマイのある地域では、1万6000平方メートルの土地に3億5000万バーツ(約13億4000万円)が投資され、大規模な住宅街が建設されています。こうした動きは、チェンマイに中国人コミュニティを形成する一因となっています。
チェンマイの人口は約162万人。そのうち中国人は約7190人、その他の国籍は約15万人と、中国人の割合はそれほど高くはありません。しかし、ハンドン地区のような新しい住宅開発地では、中国語の看板が目立ち、まるで中国の街角にいるかのような錯覚を覚えることもあるそうです。
アクセスの良さ:中国主要都市からの直行便
中国主要都市からチェンマイへのアクセスも良好です。広州など、中国南部の都市からは、格安航空会社(LCC)の直行便が多数運航されており、所要時間はわずか3時間ほど。このアクセスの良さは、中国人がチェンマイを第二の故郷として選ぶ大きな理由の一つと言えるでしょう。
チェンマイの観光ビザは1回の訪問で最大60日間滞在可能。そのため、中国からの観光客は60日間の滞在後、一旦出国し、数日後に再入国するという方法で長期滞在を実現しているケースも多いようです。
チェンマイの未来:観光地から第二の故郷へ
中国系企業は、観光業やセカンドハウス建設を中心に事業を展開し、タイ企業との合弁事業も積極的に行っています。特に、高齢者向けのマンション建設が盛んで、地元の不動産業者からは「中国の投資家はチェンマイを観光地から第二の故郷に変えつつある」という声も上がっています。
チェンマイは、美しい自然、穏やかな生活、そして手頃な価格の不動産といった魅力を兼ね備えています。これらの要素が、中国人を惹きつけ、第二の故郷として選ばれる理由となっているのでしょう。今後、チェンマイはますます国際色豊かな都市へと発展していくことが予想されます。