韓国政界の緊張が高まる中、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の即時退陣もしくは弾劾を求める声明を発表しました。発端となったのは、尹大統領による非常戒厳令の発令です。李代表はこれを「第2の内乱」と強く非難し、国民への説明責任を果たすよう迫っています。
非常戒厳令発令の背景と野党の反論
尹大統領は戒厳令発令の理由として、野党による政府機能の麻痺を挙げ、国会を「犯罪集団の巣窟」とまで表現しました。これに対し、李代表は「国家の正常な運営に反対した事実はない」と反論。政府高官への弾劾訴追や予算案の削減は、正当な議会活動であると主張しています。
韓国国会の様子
首相・与党代表の談話に「憲政秩序を乱す行為」と批判
韓悳洙(ハン・ドクス)首相と韓東勲(ハン・ドンフン)与党代表は、尹大統領に代わって国政運営を行う方針を示しました。しかし、李代表はこれを「憲政秩序を乱す行為」と批判。国民から選ばれていない者が権力を持つことは容認できないと主張し、尹大統領の責任を改めて問いただしました。
弾劾訴追案可決まで毎週土曜日に表決へ
李代表は、尹大統領の即刻退陣か弾劾が唯一の解決策だと強調。弾劾訴追案が可決されるまで、毎週土曜日に国会で表決を行う方針を明らかにしました。今後の政局はさらに混迷を深めることが予想されます。
専門家による分析:エコーチェンバー現象の可能性
元陸上自衛隊東北方面総監で日本情報戦専門家の松村五郎氏は、尹大統領が「エコーチェンバー現象」に陥っていた可能性を指摘しました。エコーチェンバーとは、自身と似た価値観の情報ばかりに触れることで、客観的な判断力を失う現象です。
李在明代表
極右ユーチューバーの影響?
松村氏は、尹大統領が使用した「犯罪集団の巣窟」という表現が、極右系ユーチューバーがよく使う言葉であると指摘。側近やSNSを通して偏った情報に触れ続けることで、冷静な判断力を失った可能性があると分析しています。
世界的な現象との類似点
松村氏は、トランプ前米大統領支持者による陰謀論や、イギリスのEU離脱に見られる感情的な国民世論を例に挙げ、エコーチェンバー現象が世界的に広がっていることを懸念。尹大統領も厳しい政治状況の中で、心地よい情報空間に逃避した可能性があると分析しています。
韓国政局の行方は、今後の国会での動向に注目が集まります。jp24h.comでは、引き続き最新情報をお届けしていきます。