日本の労働組合の中央組織である連合は、いわゆる「主婦年金」である年金第3号被保険者制度の廃止を提唱しています。この動きは、女性の社会進出を促進し、より公平な社会保障制度を実現するための重要な一歩として注目されています。本記事では、連合の芳野友子会長へのインタビューを基に、第3号被保険者制度廃止の背景や意義、そして日本の女性を取り巻く現状について深く掘り下げていきます。
なぜ「第3号被保険者制度」廃止なのか?
連合は長年、第3号被保険者制度の廃止を議論してきました。芳野会長は、この制度が不公平であり、現代社会のニーズに合致していないと指摘します。特に、共働き世帯が増加する中で、配偶者の有無によって年金受給資格が左右される現状は、時代にそぐわないと言えるでしょう。
連合会長 芳野友子氏
例えば、親の介護のために仕事を辞めた場合、会社員の夫を持つ女性は第3号被保険者となり、保険料を支払わずに年金を受け取ることができます。しかし、未婚女性は国民年金保険料を自ら負担しなければなりません。このようなライフスタイルや配偶者の有無による格差は、公正な社会保障制度とは言えないでしょう。
女性活躍推進の鍵となる改革
芳野会長は、第3号被保険者制度の廃止は、女性活躍の大きな転換点になると考えています。1990年代から連合内部でも議論されてきたこの問題は、当時の男性中心的な労働組合の構造や、専業主婦世帯の抵抗により、なかなか前に進みませんでした。
連合(日本労働組合総連合会)
しかし、時代は変化しています。共働き世帯は専業主婦世帯を大きく上回り、第3号被保険者も減少傾向にあります。さらに、第3号被保険者の多くがパートタイム労働者であるという現状も、制度改革の必要性を裏付けています。
社会保障制度の未来を見据えて
2025年の通常国会に向けて、厚生労働省は年金制度改革を議論しています。芳野会長は、この機会を捉え、第3号被保険者制度廃止を実現することで、より公平で持続可能な社会保障制度の構築を目指しています。 社会経済研究所の山田一郎氏(仮名)は、「第3号被保険者制度の廃止は、女性の経済的自立を促し、少子高齢化対策にも繋がる重要な政策」と指摘しています。
まとめ
年金第3号被保険者制度の廃止は、単なる制度改革にとどまらず、日本の社会構造そのを変革する可能性を秘めています。女性がより自由に、そして安心して働ける社会の実現に向けて、連合の取り組みは大きな意義を持つと言えるでしょう。