韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾を求める集会が12月8日、ソウル汝矣島の国会議事堂前で開催され、若者を中心に大勢の市民が集まりました。特に注目すべきは、10代、20代のMZ世代と呼ばれる若者たちの参加です。彼らは、アイドルの応援グッズを手に、自由で個性的な方法で抗議の意思を示し、韓国の未来への不安を訴えました。
若者たちの新しい抗議スタイル:アイドル応援グッズとミュージカルの名セリフ
主催者発表では10万人、警察推計でも1万1200人が参加したこの集会。凍えるような寒さの中、若者たちはアイドルの応援グッズ「応援棒」を手に、思い思いのスローガンを叫びました。ステージではアイドルグループの名前が次々と読み上げられ、ファンたちの歓声が響き渡る異例の光景が広がりました。
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さらに、スピーチでは好きなミュージカルの名セリフを引用するなど、MZ世代らしい創意工夫を凝らしたアピールも見られました。 韓国の著名な政治評論家、キム・ヨンチョル氏(仮名)は「若者たちは自分たちの言葉で、自分たちの文化を使って声を上げている。これは、従来の政治運動とは異なる新しい形の市民運動と言えるでしょう」と分析しています。
高校生、大学生…未来への不安を訴える若者たち
集会に参加した高校3年生の女子生徒は、人気アイドルグループ「MONSTA X(モンスタエックス)」の応援棒を手に、「モンスタエックスのメンバーがラジオで戒厳令について語ったことに感銘を受け、勇気を出して参加した」と語りました。受験を控えた不安定な状況の中で、「若者が不安に陥る社会を変えたい」という強い思いを訴えました。
他の参加者も、大学生やミュージカル好きの高校生など様々。彼らは次々とステージに上がり、「独裁政権は退陣せよ」と声を上げ、ミュージカルの名セリフ「世の中が暗ければ暗いほど、希望をより明るく輝かせよう」を引用して、未来への希望を訴えました。日本の若者事情に詳しい社会学者、佐藤恵子氏(仮名)は「韓国の若者たちの行動は、日本の若者たちにも大きな影響を与える可能性があります。社会問題への関心の高まり、そして新しい形の社会参加のあり方が模索されるかもしれません」と述べています。
MZ世代の行動が韓国社会を変える?
今回の集会は、MZ世代の政治参加の新たな形を示すものとなりました。アイドル文化やミュージカルといった若者文化を政治的なメッセージの発信ツールとして活用する彼らの行動は、韓国社会にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。