シリアのアサド政権が崩壊の危機に瀕しています。反体制派が首都ダマスカスに進軍し、「解放」を宣言。アサド大統領はモスクワへ亡命したとの情報も入ってきており、混迷を極めるシリア情勢を詳しく解説します。
ダマスカス陥落、アサド政権崩壊へ
反体制派のシャーム解放機構(HTS)が主導する勢力は、ダマスカスを「解放」し、アサド大統領を打倒したと発表。長きにわたるアサド政権の支配に終止符が打たれる可能性が高まっています。ロシア大統領府関係者によると、アサド大統領は家族とともにモスクワに到着し、亡命が認められたとのことです。
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ロシア、アサド大統領の出国を認める
ロシア外務省は、アサド大統領が内戦の当事者との協議を経て大統領職を離れる決断をし、出国したと発表しました。アサド氏はシリア政府に平和的な権力移譲を指示したとされています。
ダマスカス情勢と今後の焦点
ダマスカスでは、イラン大使館が襲撃を受ける事件が発生しましたが、大規模な衝突は確認されていません。政権軍はほとんど抵抗することなく首都を明け渡したとみられ、市民が放棄された戦車の上で歓声をあげる様子も報道されています。今後の焦点は、政権移行が円滑に進むかどうかにあります。ジャラリ首相は国民が選ぶ指導者と協力する用意があると表明し、権力移譲に応じる姿勢を示しています。
反体制派の混在と今後の不透明感
しかし、反体制派はHTS、トルコ支援の北部勢力、米国支援のクルド人勢力など、多様なグループが混在しており、利害関係も一致していません。そのため、シリア情勢が安定化に向かうかどうかは予断を許しません。
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シリア内戦の経緯とロシアの支援低下
2011年の「アラブの春」を契機に始まった反体制デモをアサド政権が弾圧したことが、シリア内戦の発端でした。アサド政権はロシアの支援を受けて軍事的優位を確保してきましたが、ウクライナ侵攻の影響でロシアの支援が低下。さらに、政権を支えてきたヒズボラもイスラエルとの戦闘で弱体化していました。
反体制派の反攻と今後の展望
反体制派は、イスラエルとレバノンの停戦発効を機に大規模な反攻を開始。アレッポやハマなどの要衝を次々に制圧し、今回のダマスカス進軍へと繋がりました。今後のシリア情勢は、国内外の様々な勢力の動向に左右されるため、引き続き予断を許さない状況が続くでしょう。
まとめ
シリア情勢は、アサド大統領の亡命報道、ダマスカスの陥落宣言など、大きな転換期を迎えています。今後の政権移行や反体制派各勢力の動向に注目が集まります。 jp24h.comでは、引き続きシリア情勢の最新情報をお届けしていきます。