アサド政権崩壊で、イスラエルとトルコがシリアを攻撃するわけ


【画像】独裁的国家元首の子供として生まれた者たちが辿る運命 シリア──アサド家の場合

イスラエル「イランにとどめを刺すチャンス」

アサド政権はこれまで、イランと関係が深い「ハマス」やレバノンの「ヒズボラ」、イラクのシーア派民兵組織、イエメンの「フーシ派」などが含まれるネットワーク「抵抗の枢軸」の柱であり、イランとレバノンを結ぶ橋の役割をしてきた。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララが9月末に暗殺されたいま、イスラエルの大統領ベンヤミン・ネタニヤフは「おそらくこれらの出来事がイランにとどめを刺すチャンスだと見ているだろう」とハアレツの記者は伝える。「ネタニヤフは何ヵ月も前から、イランに直接攻撃し、核開発計画を解体するよう米政府に訴えてきた」

一方で、シリアのスンニ派イスラム主義勢力の台頭や、1967年以降イスラエルが占領しているゴラン高原の奪取を危惧する報道も見られる。イスラエルはシリア反体制派の侵入に備え、ゴラン高原の緩衝地帯に部隊を配備したと発表した。また、イスラエルは反体制派が旧シリア政権の化学兵器を奪わないよう化学兵器工場を攻撃したとも報じられている。

トルコ「シリアのクルドと戦うときが来た」

だが、これでシリアでの戦闘が終わるわけではない。反体制派とアサド政権軍との戦いはシリア全土で停止しているが、トルコ・シリアの国境地域を支配するクルド人勢力とトルコ主導の軍との戦闘は激化している。トルコの当面の狙いは、シリア北部の街マンビジの占領だとされる。

COURRiER Japon



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