アサド前シリア大統領、モスクワでの亡命生活を覗く – 高級マンション群と家族の影

シリアの激動から逃れ、ロシアの地へ渡ったとされるバッシャール・アサド前大統領。その亡命生活の実態が、徐々に明らかになりつつあります。モスクワでの高級マンション所有、家族との生活、そしてロシアとの関係…この記事では、アサド前大統領の現在の状況を深く掘り下げていきます。

モスクワでの静かな生活?所有マンションは20件以上

タス通信の報道によると、在ロシア・シリア大使館はアサド氏のモスクワ滞在を認めています。一体、彼はどのような生活を送っているのでしょうか?英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の調査によれば、アサド前大統領はモスクワ市内とその郊外に、親族名義で20件以上の高級マンションを所有しているとのこと。これらの物件は2013年から2019年にかけて購入され、総額4000万ドル(約60億円)相当という莫大な金額に上ります。モスクワ中心部にある物件の中には、なんと1243平方メートルもの広さを誇るものもあるそうです。

モスクワでプーチン大統領と会談するアサド大統領(7月24日)モスクワでプーチン大統領と会談するアサド大統領(7月24日)

これらのマンションは、米欧からの経済制裁を受けているアサド前大統領に代わり、親族が資産管理や国外への資産移動を担ってきたと見られています。まさに、権力と富の象徴と言えるでしょう。

家族と共に過ごす日々 – 英国生まれの妻と3人の子供たち

英紙デイリー・メール(電子版)によると、アサド前大統領は英国生まれの妻と3人の子供と共にモスクワで生活していると報じられています。家族と共に過ごす時間は、激動のシリアを離れ、新たな生活を築こうとする彼にとって、かけがえのないものとなっているのではないでしょうか。

ロシアとの蜜月関係 – 市民権付与の可能性も?

ロシアは、2014年のウクライナ政変で失脚したヴィクトル・ヤヌコビッチ氏など、親ロシア派政治家の亡命を受け入れてきました。アサド前大統領もまた、ロシアの庇護を受けていると言えるでしょう。ロシアメディアによれば、ロシア下院議員からはアサド氏への市民権付与を求める声も上がっているとのこと。今後の両国の関係に、さらに注目が集まりそうです。

倒されたハフェズ・アサド氏の像を踏む反体制派の戦闘員倒されたハフェズ・アサド氏の像を踏む反体制派の戦闘員

新たな人生の幕開け – アサド前大統領の未来

シリアでの波乱万丈の時代を経て、モスクワで新たな生活を始めたアサド前大統領。その未来には、どのような道が待ち受けているのでしょうか。今後の動向を、引き続き注視していきたいと思います。