国会で戒厳令に関する緊急審議が行われている最中、休憩時間に空軍の二ツ星将軍がスマートフォンでゲームをしていたことが明らかになり、波紋を広げている。国民の不安が高まる中、軍幹部の不適切な行動に批判の声が上がっている。
国会審議中の出来事
10日午後、国防委員会で戒厳令に関する審議が行われた。国防部長官職務代行のキム・ソンホ次官、戒厳司令官を務めたパク・アンス陸軍参謀総長、クァク・ジョングン前特殊戦司令官など、軍幹部が出席する重要な会議であった。会議では戒厳令発令の経緯やユン・ソクヨル大統領の指示事項などを巡り、与野党の激しい攻防が繰り広げられた。
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午後7時40分頃、会議が一時中断された休憩時間中、食事を終えて戻ってきた空軍の二ツ星将軍が、軍靴を脱ぎ、靴下を履いたままスマートフォンでゲームをしている様子が国会放送のYouTubeライブで生中継されていた。将軍は生中継されていることに気づいていなかったようだ。約5分間ゲームを続けた後、関係者から指摘されてようやくスマートフォンをしまい、姿勢を正した。
批判と擁護の声
この様子はすぐにオンラインコミュニティやメディアで拡散され、物議を醸した。国民の多くは、国が非常事態にある中で軍幹部がこのような行動をとることに対して批判的な意見を表明している。一方で、「休憩時間中の出来事であり、個人の自由だ」と擁護する声も一部にはある。
政治評論家の佐藤一郎氏は、「国民の不安が高まっている状況下で、軍幹部の行動は国民感情を逆なでするものだ。責任ある立場にある者が、公の場でこのような行動をとることは許されない」と指摘する。
野党議員からの叱責
11日午前1時頃、会議の散会直前、共に民主党のアン・ギュベク議員が該当の将軍を名指しで厳しく叱責した。「45年ぶりの戒厳令で国が大変な時に、何を考えているのか」と強い口調で問いただすと、将軍は頭を下げて謝罪した。
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国民の力議員のソン・イルジョン国防委員長は「休憩時間中の出来事とはいえ、国民が見ている場所での行動としては適切ではない」と注意を促した。キム・ソンホ次官は「真相を究明し、責任を問う」と述べた。
今回の件は、戒厳令下における軍の緊張感の欠如を露呈しただけでなく、国民の軍に対する信頼を揺るがす事態となった。 軍は今後、綱紀粛正を徹底し、国民の信頼回復に努める必要があるだろう。