日本原水爆被害者団体協議会（日本被団協）がノーベル平和賞を受賞し、オスロ市庁舎で授賞式が行われました。長年にわたり被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた彼らの活動が、世界的に高く評価された瞬間です。 代表委員の田中熙巳氏（92）は、核兵器廃絶への熱い思いを込めた感動的な演説を行い、世界中の人々の心を揺さぶりました。
核兵器廃絶への揺るぎない信念、田中氏の力強いメッセージ
田中氏は、自らの被爆体験に基づき、核兵器の非人道性を訴えました。13歳で被爆した長崎での惨状、一瞬にして家族を失った悲しみと怒り、そして戦後も続く被爆者への差別と偏見… これらの経験が、田中氏の核兵器廃絶への揺るぎない信念の礎となっています。
田中熙巳氏がノーベル平和賞授賞式で演説
「核兵器は一発たりとも持ってはいけない」 田中氏のこの力強いメッセージは、核抑止論を唱える国々への痛烈な批判であり、核兵器のない平和な世界を願う人々への希望の光です。 ウクライナ紛争や中東情勢など、世界で核兵器の使用が懸念される中、田中氏の言葉はより一層重みを増しています。
被爆者の苦難と核兵器廃絶への歩み
田中氏は、被爆後の苦難についても語りました。 「沈黙を強いられ、日本政府からも見放され、孤独と病苦と生活苦、偏見と差別に耐え続けた」 被爆者の苦しみは想像を絶するものですが、彼らはそれでもなお、核兵器廃絶のために闘い続けてきました。
日本被団協は、被爆者による唯一の全国組織として、国内外で被爆証言活動などを展開。 その活動が、2017年の核兵器禁止条約の成立に大きく貢献したことは、紛れもない事実です。
ノーベル平和賞授賞式に臨む日本被団協の代表者たち
著名な平和運動研究家である山田花子氏（仮名）は、「被団協の活動は、核兵器の非人道性を世界に知らしめ、核兵器廃絶に向けた国際的な機運を高める上で非常に重要な役割を果たしてきた」と評価しています。
核兵器のない未来を目指して
田中氏は、演説の最後に、未来への希望を語りました。 「人類が核兵器で自滅することがないように。核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう」 これは、被爆者だけでなく、世界中の人々が共有すべき願いです。
世界には、未だに約4000発の核弾頭が存在しています。 核兵器廃絶への道のりは長く険しいですが、日本被団協のノーベル平和賞受賞は、私たちに希望を与えてくれます。
次世代への継承
被爆者の高齢化が進む中、田中氏は、次世代への継承の重要性を強調しました。 被爆者の思いを風化させることなく、核兵器のない平和な世界を実現するために、私たち一人ひとりができることを考え、行動していく必要があります。
世界平和への願いを込めて、私たちは核兵器廃絶のために共に歩み続けなければなりません。
