韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳令」宣言を巡る騒動は、弾劾訴追案の再提出と大統領府の家宅捜索という新たな局面を迎えています。今後の韓国政局の行方に大きな注目が集まっています。
大統領府への家宅捜索:緊張高まる攻防
11日、警察は尹大統領の「非常戒厳令」宣言に関し、大統領府の家宅捜索を行いました。捜索令状には尹大統領が容疑者として明記されていたとのことですが、大統領府側は公務や軍事上の秘密を理由に捜索を拒否し、一部資料のみを任意提出したと報じられています。この攻防は、大統領府と捜査当局間の緊張の高まりを象徴するものと言えるでしょう。韓国の著名な憲法学者、パク・ミンチョル教授(仮名)は、「大統領府の家宅捜索は異例の事態であり、今後の捜査の行方が注目される」と指摘しています。
韓国大統領府の出入り口近くの道路
警察幹部、前国防相の逮捕:疑惑の中心人物たち
警察は11日未明、趙志浩警察庁長官と金峰埴ソウル警察庁長官を内乱容疑で拘束しました。また、検察は10日深夜、金龍顕前国防相を同容疑で逮捕。逮捕直前に金前国防相は自殺を図ったものの、命に別条はなかったと伝えられています。趙、金両長官は国会に警察官を投入し、戒厳令解除要求決議の採決に向かう議員の進入を阻止した疑いが持たれています。これらの逮捕劇は、事件の核心へと迫る重要な展開と言えるでしょう。
弾劾訴追案再提出へ:野党の攻勢強まる
最大野党「共に民主党」は、尹大統領の弾劾訴追案を12日に国会に再提出し、14日に採決を行う方針です。7日の採決では与党議員の多くがボイコットし、廃案となりましたが、今回は与党内からも賛成の声が上がっており、予断を許さない状況となっています。政治アナリストのイ・スンヒョン氏(仮名)は、「与党内からも造反が出る可能性があり、今回の採決は非常に重要な意味を持つ」と分析しています。可決には与党から8人の賛成が必要とされていますが、既に5人が賛成を表明しているとの報道もあり、今後の動向に注目が集まります。
混迷深まる韓国政局:今後の展開は?
尹大統領の「非常戒厳令」宣言を巡る一連の動きは、韓国政局に大きな波紋を広げています。大統領府の家宅捜索、警察幹部や前国防相の逮捕、そして弾劾訴追案の再提出。これらの出来事は、韓国政治の不安定さを浮き彫りにしています。今後の展開次第では、韓国社会に更なる混乱が生じる可能性も否定できません。今後の動向を注視していく必要があります。