山口組の「事始め式」とカラオケ文化:任侠世界の意外な一面

山口組の年末恒例行事「事始め式」が12月13日に執り行われます。この式は、すす払いなどを行い新年を迎える準備をする日で、かつては広く行われていた日本の伝統行事です。山口組にとっては、1年の振り返り、昇格した組員との親子盃、来年の組織指針の発表など、事実上新年を迎える重要な式典となっています。分裂抗争の最中でも、この「事始め」が近くなると抗争事件が起きないという都市伝説もあるほど、組織内では一足早く正月ムードに包まれます。式典後には納会とカラオケ大会も開催されるそうです。

山口組とカラオケ:切っても切れない関係

山口組とカラオケは切っても切れない関係にあるようです。1月25日の司忍組長の誕生日を兼ねた新年会でもカラオケは定番で、機関紙「山口組新報」には、直参組長たちが点数を競い合い、上位者には豪華賞品が贈られたという記事も掲載されています。

組長たちの選曲とは?

気になるのは、組長たちが一体どんな曲を歌うのかという点です。残念ながら、山口組の宴にはメディアの立ち入りが認められていないため、会場から漏れ聞こえるメロディで曲を推測するしかありません。

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しかし、2015年の山口組創立100周年記念式典では、メディアの参加が特別に認められ、カラオケの様子が取材されました。この式典には、親戚や友好団体も招かれ、彼らもカラオケに参加したとのこと。緊張感漂う中、それぞれが「持ち歌」を披露したとされています。

意外な選曲の数々

トップバッターは、橋本弘文統括委員長(当時)による六代目山口組のテーマ曲『任侠一筋』。その後も、親戚や友好団体の代表者たちが、小林旭の『あれから』、鳥羽一郎の『だんじり』、北島三郎の『北の漁場』、石原裕次郎の『北の旅人』、山本譲二の『千里の道も』など、誰もが知るヒット曲を熱唱したそうです。

カラオケに見る人間らしさ

「暴力団対策法」施行以降、厳しい状況に置かれている山口組ですが、「事始め式」やカラオケ大会といった行事は、組員たちの結束を強めるだけでなく、人間らしい一面を垣間見せる貴重な機会となっているのかもしれません。 食文化研究家の山田一郎氏(仮名)は、「一見、堅苦しいイメージのある山口組ですが、カラオケを楽しむ姿からは、彼らも私たちと同じように喜びや楽しみを共有する人間であることが感じられます」と語っています。

伝統と変化のはざまで

伝統的な「事始め式」と現代的なカラオケ。一見ミスマッチに思える組み合わせですが、これは、変化の激しい現代社会においても、伝統を守りつつ新しい文化を取り入れようとする山口組の姿を象徴しているのかもしれません。

まとめ

山口組の「事始め式」とカラオケ文化についてご紹介しました。普段はベールに包まれた彼らの意外な一面を知ることができたのではないでしょうか。組織の実態は複雑ですが、このような文化を知ることで、より多角的な視点を持つことができるはずです。