韓国大統領弾劾デモ、K-POPで熱狂の渦に!MZ世代が変える集会文化

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案採決を目前に控えた13日夜、ソウル国会前では弾劾を求める大規模なデモが行われました。厳しい寒さの中、連日続くデモですが、今回のデモは従来とは一線を画す熱気に包まれています。K-POPに合わせて「ユン・ソンニョル弾劾!」と声を上げる参加者たちの姿は、まるでコンサート会場のよう。韓国メディアも「MZ世代(ミレニアル世代とZ世代)が集会文化を変えた」と報じています。

K-POPが響き渡る国会前、熱狂のデモ現場

「願いは弾劾!」という司会者の声に続き、人気ガールズグループ少女時代のヒット曲「願いを言ってみて(GENIE)」が流れ始めると、会場のボルテージは最高潮に達しました。老若男女問わず、参加者たちはペンライトを振り、弾劾を求めるプラカードを掲げながら、K-POPのリズムに合わせて声を上げていました。

ソウル国会前で開かれた弾劾デモの様子ソウル国会前で開かれた弾劾デモの様子

韓国のデモで歌謡曲が使用されることは以前からありましたが、今回のデモでは近年のヒット曲が多数使用されている点が特徴的です。会場にはペンライトなどのグッズを販売する屋台も登場し、インターネット上では、K-POPに馴染みのない世代に向けた予習リストも出回るなど、まさに“K-POPデモ”と言える状況となっています。

MZ世代が牽引する新たなデモ文化

慶尚南道昌原から参加した50代の主婦は、「どうせなら楽しみながら闘わないと」と、この新たなデモの雰囲気を肯定的に捉えている様子。中央日報(電子版)は、若者たちが意思表示の場であるデモを「重い雰囲気ではなく、祭りのような雰囲気で楽しんでいる」とする専門家の分析を紹介しています。

デモは“お祭り”へ?

従来のデモとは異なる、K-POPを取り入れた今回の弾劾デモ。この変化は、MZ世代を中心とした若者たちの価値観や文化が反映された結果と言えるでしょう。彼らは、社会問題への関心を持ちながらも、従来の堅苦しいデモではなく、より楽しく、参加しやすい形で意思表示を行うことを選択しているようです。韓国の政治文化研究所のキム・ジヨン研究員(仮名)は、「MZ世代は、デジタルネイティブであり、SNSを通じて情報収集や発信を行うことに慣れています。彼らは、自分たちの声を届ける手段として、K-POPのような親しみやすい文化を活用することで、より多くの人々に共感を得ようとしているのです」と分析しています。

新たなうねりが韓国社会を変えるか

K-POPと融合した今回の弾劾デモは、韓国社会における新たなデモ文化の誕生を予感させます。今後の政治運動や社会運動にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。