韓国で近年行われた大規模集会・デモは、その平和的な雰囲気と参加者の熱意によって、国内外から大きな注目を集めました。キャンドルを灯す代わりにペンライトを手に、K-POPの音楽が流れる中で行われるその光景は、まさに新しい時代のデモ文化と言えるでしょう。
新世代の民主主義:K-POPファンダム文化の影響
これらの集会・デモで特筆すべきは、K-POPファンダム文化の影響です。好きなアーティストのペンライトを持ち寄り、歌を歌いながら楽しく集まる姿は、従来のデモのイメージを覆すものでした。まるでコンサート会場のような雰囲気の中、参加者はそれぞれの思いを胸に、平和的な抗議活動を行いました。インドネシア出身のシャパさん(24歳)は、「好きな歌手のペンライトを持ってきて楽しく集会する姿が興味深かった。韓国のこのようなデモ文化は全世界に広がった」と語っています。SNS上でも、「韓国人になりたい」「K-POPに続き、K集会も輸出するのか」といった声が上がり、世界的なムーブメントとなっています。
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世界のメディアも注目:非暴力と連帯のシンボル
この新しいデモ文化は、海外メディアからも注目を集めています。ロイター通信は、ペンライトがロウソクの火を代替し、非暴力と連帯のシンボルとして浮上したと報道。BBCは、梨泰院惨事を経験した韓国が、今回の集会では安全対策に力を入れていることを伝えました。日本経済新聞は、韓国のデモ文化を「次世代型民主主義の姿」と高く評価しています。
MZ世代がリードする新しいデモ文化
専門家たちは、MZ世代がこの新しいデモ文化をリードしていると分析しています。成均館大学のク・ジョンウ教授(社会学)は、「若い世代が自らを守るために政治的に目覚め、集会・デモの主導勢力の世代交代が起きた」と指摘。献身的なファンダム文化が民主主義の危機克服という目標と結びつき、平和的な集会・デモにつながったと分析しています。全北大学のソル・ドンフン教授(社会学)は、「悪や暴力を使わなくても、寒い中で席を守りながら楽しく声を上げる行為で、十分にメッセージを出せるということを若い世代が示した」と評価しています。
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平和的な抗議活動の新たな形
韓国のキャンドルデモは、平和的な抗議活動の新たな形を示しました。K-POPファンダム文化とMZ世代のエネルギーが融合し、世界に発信されたこのムーブメントは、今後の民主主義の在り方にも影響を与える可能性を秘めています。カナダ出身のジャック・グリーンバーグさん(25歳)は、「前世代の犠牲で立てられた民主主義と憲政秩序を守ろうと勇気を出した韓国市民から深い感銘を受けた」と語っています。彼らの行動は、世界中の若者に希望と勇気を与えていると言えるでしょう。