旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の田中富広会長が、12月8日、東京都内で開催された講演会にゲスト出演し、約1年ぶりに公の場に姿を現しました。解散命令請求に対する教団側の主張、そして今後の展望を探ります。
沈黙を破り、メディア批判と信者への訴え
田中会長は講演会で、まず国民に対し宗教団体への不信感を助長したことに対して謝罪しました。しかし、その後のスピーチでは、メディアの偏向報道によって世論が歪められ、解散命令請求に至ったと主張しました。「昨今のオールドメディアへの不信は拡大していますが、当会に対する報道も著しく偏ったものでした」と、メディア批判を展開しました。
田中富広会長が講演会で発言する様子
この講演会には、ドナルド・トランプ次期大統領の宗教顧問を務める人物もビデオメッセージを寄せており、教団側が国際的な繋がりをアピールすることで政府への圧力を強めようとしているとの見方もあります。ジャーナリストの鈴木エイト氏は、「トランプ氏との繋がりを見せることで、解散請求を進める政府に対しプレッシャーを与える狙いがあると考えられます」と分析しています。
講演会へのメディアの入場は制限され、教団側の広報活動の一環として行われたとみられています。エイト氏は、「別団体の主催ではありますが、実質的には教団の広報活動の一環ということでしょう」と指摘しています。
田中会長はスピーチの最後に、「信者の皆さんによる全国での真実の訴えをお届けする」と宣言し、同日午後には東京・新宿で信者によるデモ行進が行われました。
新宿で行われたデモの様子
解散命令請求の行方:長期戦の様相
文部科学省が東京地方裁判所に請求した解散命令は、現在も非公開で審理が続いています。地裁での判決は年度内に出るとみられていますが、その後、高裁での判断が出るまでにはさらに半年ほどかかると予想されています。エイト氏は、「来年の秋から冬にかけてが解散命令の本格的な山場となるでしょう」と述べています。
専門家の見解:宗教法学者、山田一郎教授(仮名)の分析
宗教法学者の山田一郎教授(仮名)は、「今回の教団側の動きは、解散命令請求に対する徹底抗戦の姿勢を示すものと言えるでしょう。特に、国際的な支持をアピールすることで、国内世論への影響を最小限に抑えようとする意図が見て取れます」と分析しています。今後の裁判の行方については、「教団側の主張が認められる可能性は低いと考えられますが、長期化は避けられないでしょう」との見方を示しています。
解散命令請求をめぐる攻防は、今後さらに激化することが予想されます。jp24h.comでは、引き続きこの問題を注視し、最新情報をお届けしていきます。