NON STYLE石田明、M-1と漫才論を語る!「床暖房効いてる漫才」とは?

NON STYLEの石田明さんが、M-1グランプリや漫才への熱い思いを綴った著書『答え合わせ』を出版。M-1王者として、そしてNSC講師としての経験を踏まえ、漫才の奥深さを独自の視点で分析しています。今回は、石田さん自身の漫才論、そして「床暖房効いてる漫才」という気になるワードについて迫ります。

漫才分析本執筆の経緯

石田さんはこれまで漫才分析本を出すことには否定的でした。ラジオで漫才分析は行っていましたが、活字にすることには抵抗があったとのこと。しかし、自身の漫才観を一度整理し、新たな視点でお笑いに向き合うため、今回出版を決意したそうです。

NON STYLE石田明NON STYLE石田明

システム漫才の定義とは?

石田さんは、チュートリアルやブラックマヨネーズを「システム漫才」の代表格として挙げています。しかし、システム漫才の定義は複雑で、多様化しているため一言で説明するのは難しいとのこと。NON STYLE自身の漫才も、独自のシステムを持っていると語っています。例えば、石田さんが太ももを叩く動作は、笑いを生み出すためのもう一つの軸を作り、2軸で展開することで笑いを増幅させるシステムと言えるそうです。

漫才の審査基準と「味」

石田さんは著書の中で、漫才の審査基準として「面白さ」「真新しさ」「技術」などを挙げています。しかし、ベテラン漫才師には、それらに加えて「味」があると感じることがあります。石田さんにとって「味」とは、スベっていても見ていられるかどうかだと語ります。

NON STYLE 石田明NON STYLE 石田明

「床暖房効いてる漫才」の真髄

石田さんは、「味」のある漫才を「床暖房効いてる漫才」と表現します。これは、スベっていても見ていられる、心地よい暖かさを感じさせる漫才のこと。中川家や千鳥、そしてNON STYLE自身も、スベっている時間さえも楽しめる、観客を「爆発待ち」の状態にさせることができる漫才師だと言います。笑いが起きなくても、その独特の雰囲気が観客を魅了する、それが「床暖房効いてる漫才」の真髄と言えるでしょう。ベテラン漫才師だからこそ出せる、熟練の技とでも言うのでしょうか。漫才の奥深さを改めて感じさせられます。