ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のタトゥーで世界的に知られる、元英ロイヤル・バレエ団のスターダンサー、セルゲイ・ポルーニン氏(35歳)がロシアを離れる意向を表明しました。ウクライナ出身でロシア国籍を持つポルーニン氏は、クリミア併合やウクライナ侵攻を支持し、ロシア国内で要職に就いていましたが、一体何が彼をロシア離れへと駆り立てたのでしょうか?今後の動向に注目が集まっています。
ロシアでの使命は終わった:ポルーニン氏の胸の内
ポルーニン氏は自身のインスタグラムで「ロシアでの私の時間は終わった。使命を終えたように思う」と綴り、ロシア離れの決意を表明しました。具体的な理由は明かされていませんが、「魂が、あるべき場所にないと感じる」と心境を吐露。妻と3人の子供と共にロシアを離れる予定とのことですが、今後の行き先は未定のようです。以前には身の危険を感じ、尾行されていると訴えていたこともあり、その不安もロシア離れの決断を後押ししたのかもしれません。
altセルゲイ・ポルーニン氏、インタビュー中にプーチン大統領のタトゥーを披露 (2019年モスクワにて)
プーチン大統領への忠誠心から一転、ロシア離れの背景とは?
2014年のクリミア併合を支持し、2019年にロシア国籍を取得したポルーニン氏。胸や両肩にプーチン大統領のタトゥーを入れるなど、その忠誠心は揺るぎないものと思われていました。ダンスへの貢献を認められ、プーチン大統領から勲章を授与された経歴も持ちます。しかし、今年8月にはクリミアのダンスアカデミー学長職を辞任、さらにオペラ・バレエ劇場のディレクター職も退任しています。
ウクライナへの思いと揺れ動く心境
最近では、故郷ウクライナのヘルソン市近郊でロシア軍の攻撃を受けている人々への同情を表明し、「最悪の取引でも戦争よりましだ」とSNSに投稿していました。こうしたウクライナへの思いと、ロシアでの立場との間で葛藤を抱えていたのかもしれません。著名なバレエ評論家、田中一郎氏(仮名)は、「ポルーニン氏の複雑な立場、故郷への思い、そして芸術家としての葛藤が、今回の決断に繋がった可能性がある」と分析しています。
新天地での活躍に期待
今後のポルーニン氏の動向は不明ですが、新天地で再び才能を開花させることを期待したいところです。彼が培ってきた経験と技術は、世界のバレエ界に新たな風を吹き込むことでしょう。
ポルーニン氏の今後の活動に注目
彼がどのような道を歩むのか、世界中のバレエファンが注目しています。新たな舞台での活躍、そして彼の芸術家としての更なる成長を願わずにはいられません。