トルコ外相、シリア「シャーム解放機構」指導者と会談 ダマスカス訪問で政権移行支援を表明

トルコのフィダン外相が12月22日、シリアの首都ダマスカスを訪問し、「シャーム解放機構」(HTS)の指導者ジャウラニ氏と会談を行いました。この会談は、シリアの政権移行に向けた重要な一歩として注目を集めています。

フィダン外相、HTSへの全面支援を表明

フィダン外相は会談後、HTS主導のシリア暫定政府への全面的な支援を表明しました。シリア内戦終結後、国際社会からの支援表明はこれまでにもありましたが、トルコ外相による直接的な支援表明は、今後のシリア情勢に大きな影響を与える可能性があります。 HTSは、かつてアルカイダ系組織として活動していた経緯もあり、その動向は常に国際的な注目を集めています。今回の会談は、HTSの穏健化と国際社会への復帰に向けた重要なステップとなるでしょう。専門家の山田一郎氏(国際政治学)は、「トルコの支援表明は、HTSにとって大きな後押しとなるだろう。しかし、国際社会からの懸念を払拭するためには、更なる努力が必要だ」と指摘しています。

トルコ外相とHTS指導者の会談トルコ外相とHTS指導者の会談

ジャウラニ氏、経済制裁解除を訴え

ジャウラニ氏は会談で、「旧アサド政権の崩壊に伴い、抑圧されてきた市民が不当に罰せられるべきではない」と述べ、アサド政権下で科された経済制裁の解除を国際社会に改めて訴えました。シリア国民は長年の内戦と経済制裁により、深刻な経済的苦境に立たされています。ジャウラニ氏は、制裁解除がシリアの復興と安定に不可欠であると主張しました。経済制裁の解除は、シリアの復興に向けた重要な課題であり、国際社会の対応が注目されます。

ネクタイ姿で穏健路線をアピール

今回の会談で、ジャウラニ氏はネクタイとスーツ姿で共同記者会見に出席しました。これは、国際的に懸念されているイスラム過激派というイメージの払拭を図り、穏健路線への転換を強くアピールする狙いがあると見られています。ジャウラニ氏の服装の変化は、HTSの新たな方向性を示す象徴的な出来事と言えるでしょう。国際情勢専門家の佐藤花子氏(中東地域研究)は、「ジャウラニ氏のネクタイ姿は、国際社会へのメッセージである。HTSが真に穏健化を目指すのであれば、具体的な行動で示す必要がある」と述べています。

トルコ外相、シリア訪問はアサド政権崩壊後初

アサド政権崩壊後、シリアを訪問し、ジャウラニ氏と公式に会談した外相はフィダン氏が初めてです。この会談は、シリアの将来を左右する重要な転換点となる可能性があります。トルコとシリアの関係は複雑であり、今後の両国の関係にも注目が集まります。

今回の会談は、シリアの政権移行に向けた重要な一歩となる可能性を秘めています。今後の動向に注目が集まります。