デヴィ夫人、北朝鮮平壌訪問を「ドバイのよう」と称賛:その真意と背景

タレントのデヴィ夫人(85)が、北朝鮮の朝鮮労働党創建80年に関連する行事に参加するため、首都平壌を訪問しました。核実験やミサイル発射を繰り返す国際社会から孤立する国家への訪問に疑問の声が上がる中、帰国したデヴィ夫人は「素晴らしかった」と語り、その経験と北朝鮮の現状について独自の視点を披露しています。

デヴィ夫人が北朝鮮訪問について語る様子デヴィ夫人が北朝鮮訪問について語る様子

「建国の父」との深き縁:デヴィ夫人の北朝鮮訪問歴

インドネシアのスカルノ元大統領の第3夫人であるデヴィ夫人は、北朝鮮との長年にわたる深い縁を持っています。国際部の記者によると、夫であるスカルノ元大統領が、北朝鮮の「建国の父」と称される故・金日成国家主席と盟友関係にあったことが、この関係の基盤です。北朝鮮にとってデヴィ夫人は、丁重にもてなすべき賓客の一人であり、彼女自身も「金日成主席のファミリーには大変な思い入れがある」と公言してきました。

今回、デヴィ夫人は今年の初夏に朝鮮総聯からの誘いを受け、北朝鮮に貢献した人物を表彰する「国際金日成賞理事会」の理事として平壌を訪問しました。北京を経由して入国し、最高級とされる高麗ホテルに宿泊。インドネシアの民族衣装を身にまとい、10月9日から14日まで滞在しました。

「ドバイのよう」と驚きの評価:平壌の変貌と軍事パレード

約10年ぶりとなる平壌の訪問で、デヴィ夫人はその変貌ぶりに驚きを隠せなかったと語っています。「もうビックリ。ここはドバイかしらって思うほど、たくさんの新しい高層ビルが建てられていたからです」と表現し、その近代化に感銘を受けた様子です。さらに、「東京みたいに趣味の悪いネオンや看板はない。世界で最も美しい首都だといえるでしょう」と述べ、平壌の都市景観を高く評価しました。

10月10日の夜に開催された、各国の代表団が観覧した軍事パレードについても触れ、「一糸乱れぬマスゲームに感激したわ」とその壮大さに感動したと述べています。

平壌市内の高層ビル群と近代的な街並み平壌市内の高層ビル群と近代的な街並み

国民生活と「偉大なる指導者」への敬愛

国際社会で北朝鮮国民の困窮が報じられる中、デヴィ夫人の観察は異なる側面を提示しています。「1部屋290平方メートルもある新築の高層マンションに、いちばん所得が低いとされる家族が入居できるそうですよ」と、国民生活における改善の動きを示唆しました。

金正恩総書記(41)に直接会う機会はなかったものの、デヴィ夫人は各地で国民が金正恩総書記を「偉大なる指導者」として敬愛している様子を目の当たりにしたと語っています。彼女の報告は、北朝鮮に対する一般的な国際認識とは異なる、独特の視点を提供しています。

デヴィ夫人の今回の北朝鮮訪問と、そこでのポジティブな評価は、依然として多くの議論を呼ぶことでしょう。彼女の証言は、北朝鮮の知られざる側面を浮き彫りにする一方で、国際情勢の複雑さを改めて示しています。


参考文献: