【主張】令和初の防衛白書 「GDP1%」で守れるか

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 令和初の防衛白書は、北朝鮮が「核兵器の小型化・弾頭化を既に実現しているとみられる」との分析を初めて示した。

 日本に向いた弾道ミサイルに核弾頭が搭載される意味合いは極めて大きい。大量破壊兵器・ミサイルについて「廃棄に具体的進展は見られない」とも指摘した。白書が説くように北朝鮮は「重大かつ差し迫った脅威」だ。日本はミサイル防衛に加え、長射程の巡航ミサイル戦力充実を急ぐ必要がある。

 中国からも目が離せない。

 安倍晋三首相は日中の外交関係について「完全に正常な軌道に戻った」と語っている。

 だが、中国が軍事面では活動を拡大・活発化させている現状が、白書から分かる。

 今年度の日本の防衛予算は約5兆2千億円だが、中国は公表ベースだけで約20兆2千億円だ。平成元年度から30年間で約48倍、最近の10年間でも約2倍半に膨れ上がり、核・ミサイル、海上・航空の各戦力を「広範かつ急速に強化」している。中国海空軍は太平洋や日本海へ盛んに進出し、尖閣諸島周辺では海軍が「恒常的に活動」するようになった。

 白書は、中国を「安全保障上の強い懸念」と記すが、さらに踏み込んで脅威と位置づけ、対応していくべきだろう。

 安全保障協力の章では韓国の記載順を昨年版の2番目から、4番目へ格下げした。韓国海軍による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射などはこの章で記述されたが警戒は怠れない。韓国の軍事動向に関する章で反日的行動を記述、分析した方がよかった。

 白書が「テクノロジーの進化が安全保障のあり方を根本的に変えようとしている」と強調した点も特徴だ。各国は宇宙、サイバー、電磁波といった新領域の軍事利用や無人機、AI(人工知能)など先端技術の開発を急いでいる。

 白書は新領域での自衛隊の能力強化の方針を説くが、看板倒れになりかねない。例えば中国のサイバー部隊は3万人とされる。自衛隊は今年度約220人だ。日本の防衛費は近年も微増にとどまり、国内総生産(GDP)比1%を依然超えていない現実がある。

 厳しい安保環境を説き、自衛隊の取り組みを掲げても、予算や人員の確保なしに国民の安全は保てまい。安倍首相は防衛費の思い切った増額を決断すべきである。

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