国民皆保険制度の一翼を担う国民健康保険。しかし、その保険料の高騰に苦しむ方が後を絶ちません。本記事では、国民健康保険料の高騰問題について、ジャーナリスト笹井恵里子氏とファイナンシャルプランナー内藤眞弓氏の対談を基に、その実態と対策を分かりやすく解説します。フリーランスや自営業の方、そして保険料にお悩みの方にとって必見の情報です。
なぜ国民健康保険料は高いのか？
国民健康保険は、約2500万人が加入する日本最大の公的医療保険制度です。しかし、近年、その保険料の高騰が深刻な問題となっています。特にフリーランスや自営業者にとっては、収入の変動が大きいため、前年の所得に基づいて決定される保険料が大きな負担となるケースも少なくありません。
笹井氏自身も、2020年に収入が増加した結果、翌年の国民健康保険料が約88万円にも及んだという経験を語っています。所得の約1割以上が保険料に消えてしまうという現実は、多くの国民にとって大きな不安材料となっています。
実際にあった国民健康保険料高騰の事例
笹井氏は、自身の体験を基に国民健康保険料の高騰問題について発信を続けました。『サンデー毎日』での記事掲載や、その他ネット媒体での「国保料の下げ方」記事配信は大きな反響を呼び、多くのアクセスを集めました。
寄せられたコメントには、「急な収入増で翌年の保険料に驚いた」「年収1000万円以下で所得の1割以上を保険料に支払うのは厳しい」など、切実な声が多数寄せられました。これらの声は、国民健康保険料問題が国民全体にとって大きな課題であることを示しています。
alt
高額所得者と低所得者の負担格差
内藤氏は、年収2000万円や3000万円といった高額所得者にとって、年間100万円程度の国民健康保険料は大きな負担ではないかもしれないが、年収1000万円以下の人にとっては非常に重い負担であると指摘しています。
フリーランスの場合、収入の変動が大きく、将来の見通しが立てにくいという不安も抱えています。前年の所得に基づいて決定される国民健康保険料は、収入の不安定なフリーランスにとって大きなリスクとなる可能性があります。
国民健康保険料を下げるための対策とは？
国民健康保険料の負担を軽減するためには、どのような対策が考えられるのでしょうか？各自治体では、保険料の減免制度や、分割納付制度などが設けられています。また、医療費控除の活用も有効な手段となります。
さらに、収入の安定化や、家計の見直しなど、個々の状況に合わせた対策も重要です。専門家への相談も有効な手段の一つと言えるでしょう。
専門家のアドバイス：保険料軽減のための具体的な方法
国民健康保険料の軽減に向けて、ファイナンシャルプランナーの内藤氏は、以下のような具体的なアドバイスを提示しています。
減免制度の活用
各自治体では、一定の条件を満たす世帯に対して、保険料の減免制度を設けています。収入が減少した場合や、災害などで被害を受けた場合などは、積極的に活用を検討しましょう。
分割納付の利用
保険料の一括納付が難しい場合は、分割納付制度を利用することができます。無理のない範囲で納付計画を立てることで、家計への負担を軽減することができます。
医療費控除
医療費控除は、年間10万円を超える医療費を支払った場合に、所得税の一部が還付される制度です。医療費の領収書を保管し、確定申告を行うことで、税金の還付を受けることができます。
まとめ：国民健康保険料と賢く付き合うために
国民健康保険料の高騰は、多くの人にとって大きな課題となっています。本記事で紹介した内容を参考に、自身の状況に合った対策を講じることで、保険料の負担を軽減し、安心して医療サービスを受けることができるでしょう。
今後の展望
国民健康保険制度の持続可能性を確保するためには、更なる改革が必要とされています。保険料負担の公平性や、制度の透明性向上など、今後の動向に注目していく必要があります。
