大学入試の登竜門、大学入学共通テスト。2025年1月の試験では、志願者数が7年ぶりに増加しました。多様な選抜方法が広がる現代の大学入試において、この増加は一体何を意味するのでしょうか? 本記事では、共通テスト志願者数の推移や背景にある入試制度の変化について詳しく解説します。
共通テスト志願者数、49万人を突破!
2025年1月実施の大学入学共通テストの志願者数は、前年比3257人増の49万5171人と発表されました。これは7年ぶりの増加となります。内訳を見ると、現役生が42万5968人、既卒生が6万4974人、高卒認定者などが4229人。高校3年生の現役生の出願率は過去最高の45.5%に達しており、大学受験を取り巻く環境の変化が感じられます。
大学入学共通テストに臨む受験生
多様化する大学入試制度の現状
近年の大学入試は、従来のペーパーテスト中心の「一般選抜」だけでなく、「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」といった多様な選抜方法が導入されています。特に私立大学では、一般選抜の割合が減少傾向にあります。
「学校推薦型選抜」は、高校の調査書や推薦書、面接などを重視する選抜方法です。生徒の個性や学習意欲、学校生活への取り組みなどが評価されます。
「総合型選抜」は、学力検査以外の方法で、受験生の能力や適性、将来の展望などを多面的に評価する選抜方法です。小論文、面接、プレゼンテーション、活動実績などが評価対象となります。
大学入学共通試験志願者数の推移
これらの選抜方法は、学力一辺倒ではない、多様な人材を育成するという大学の理念を反映しています。例えば、ある教育専門家は「多様な選抜方法は、学生の個性や潜在能力をより深く評価できるため、大学教育の質の向上に繋がる」と述べています。
共通テストの位置づけと今後の展望
現在、全国698大学(国公立176大学、私立522大学)が共通テストを入試に利用しています。7教科21科目の中から最大9科目を受験することができ、大学によって必要な科目が異なります。
文部科学省のデータによると、2024年度の大学入学者数は約61万人。そのうち一般選抜は約29万人(47.5%)、学校推薦型選抜は約21万人(35.0%)、総合型選抜は約10万人(16.1%)でした。
2024年大学入学者選抜方法の内訳
共通テストは、大学入試における重要な役割を担っていますが、多様な選抜方法の普及により、その位置づけも変化しつつあります。今後、大学入試はさらに多様化していくと考えられ、共通テストもその変化に対応していく必要があるでしょう。例えば、ある大学入試センター関係者は「共通テストの改革も視野に入れ、多様な選抜方法に対応できるような柔軟な試験形態を検討していく」と語っています。