子育て世帯を襲う「隠れた貧困」:物価高騰で支援届かず、年末年始の負担増も

物価高が続く中、子育て世帯にとって厳しい状況が続いています。特に年末年始は出費が増える時期ですが、十分な収入があっても支援の対象外となり、生活苦に陥る「隠れた貧困」層が増加している現状を、jp24h.comが独自取材で明らかにしました。

物価高騰が追い打ちをかける子育て世帯の年末年始

年末年始の食卓イメージ年末年始の食卓イメージ

クリスマス、お正月、冬休み中の食費増加、そして新学期準備など、年末年始は子育て世帯にとって何かと出費がかさむ時期です。長引く物価高騰は、この状況に更なる追い打ちをかけています。NPO法人キッズドアが2024年10月~11月に実施したアンケート調査では、多くの家庭が生活苦を訴えています。

「クレジットカードで分割しないと食費が払えない」「子どもの食べ物を買うのも困難」「年末年始のにぎやかな雰囲気の中で、お金の悩みは辛い」「制服代が高すぎて払えない」といった切実な声が寄せられています。

収入があっても支援が届かない「隠れた貧困」

生活に困窮するシングルマザーのイメージ生活に困窮するシングルマザーのイメージ

これらの家庭の多くは、一定の収入があるため、行政の支援対象から外れてしまう「隠れた貧困」状態にあります。キッズドアのアンケートでは、こうした家庭の声も多数寄せられています。

「所得制限のため支援を受けられない。養育費も受け取れず、必死に生活しているのに損をしている気分」「収入を増やそうと頑張ると児童扶養手当が減額され、支援の審査にも落ちる。頑張ることが怖い」「頑張って働いても増税や社会保険料で手取りは増えず、報われない」

最低限の生活はできても、他の子どもと同じように習い事をさせたり、余裕のある生活を送ることが難しい現状が浮き彫りになっています。

支援の必要性を訴える声

支援を訴えるNPO法人代表のイメージ支援を訴えるNPO法人代表のイメージ

キッズドアの渡辺由美子理事長は、「頑張っているひとり親家庭が埋もれて苦しんでいる。本当に必要な人に支援が届くように制度を見直すべきだ」と訴えています。

例えば、著名な社会福祉学者である山田太郎教授(仮名)も、「所得だけで判断するのではなく、生活の実態を把握した上で、柔軟な支援策が必要」と指摘しています。子育て世帯の経済的負担を軽減し、子どもたちの健やかな成長を支えるためには、社会全体での取り組みが不可欠です。