日本維新の会、分裂危機!?吉村新体制に渦巻く「馬場系」との確執

日本維新の会は、吉村洋文氏を代表とする新執行部が発足したばかりですが、早くも党内には不協和音が響いています。馬場伸幸前代表に近い議員たちからは、新体制への不満が噴出。その背景にあるのは、5ヶ月にも及んだ権力闘争です。今回は、維新の内部で何が起こっているのか、その真相に迫ります。

新執行部への不満噴出!火種は予算案への対応?

維新は臨時国会で政府の補正予算案に賛成。2025年度予算についても前原誠司共同代表が協力を示唆し、与党の「予算編成大綱」には維新の要望である「教育無償化」と「社会保険料の負担減」が盛り込まれました。

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しかし、その中身に馬場前代表に近い議員たちからは、「こんな大綱で喜んでいる執行部は、もうつぶれるのではないか」と痛烈な批判が。新国対委員長の各党への挨拶回りに対しても、「そこまでやる必要があるのか」との声が上がっています。

大阪維新にも亀裂?「馬場系」vs「吉村系」

これまで一枚岩であった大阪維新の議員たちも、今回は「馬場系」と「吉村系」に分裂。ある吉村系議員は、「大阪維新はこのままだと分裂する」と危機感を募らせています。

馬場前代表への不信感、そして「馬場おろし」へ

吉村系議員らは、以前から馬場氏と藤田文武前幹事長の「高額飲食」に不満を抱いていました。「干されるから言えない」という声も漏れ、強権的な対応に不信感が募っていたのです。

状況が変わったのは6月の党内説明会。自民党との政策活動費に関する合意に、吉村氏と吉村系議員らが反発。馬場氏が声を荒らげる場面もありましたが、最終的に政策活動費廃止へと方針転換を余儀なくされました。

衆院選を前に高まる危機感、大阪での密談

衆院選が近づくにつれ、「馬場代表を代えなければ戦えない」という危機感が党内に広がりました。9月18日、猪瀬直樹参院幹事長は大阪へ。吉村氏、浅田均参院会長、東徹参院議員(当時)らと会合を開き、「馬場おろし」が話し合われたといいます。

馬場伸幸前代表馬場伸幸前代表

党規約上、衆院選前に代表交代は難しいと判断した彼らは、「高額飲食」の追及に方針転換。9月25日の幹部会合で、浅田氏と猪瀬氏は馬場氏に政策活動費の使用状況をチェックする党内チームの設置を迫りました。

ある吉村系議員は当時、「前原さんは党の“顔”になる人。巻き込んだらかわいそうだ」と語っていました。これは、吉村新体制で前原氏が国会議員団の代表に就任することを暗示していたのかもしれません。

維新の未来は?

新体制発足早々、内紛が表面化した日本維新の会。党の結束を維持し、今後の政局をどう乗り切っていくのか、その動向に注目が集まります。