一昔前、「俺は今、どこの党かと秘書に聞き」との川柳が流行した。政界再編が激しく、国会議員の政党・会派移籍が相次いだことを皮肉ったわけだが、あまり冗談になっていない。記事で議員の名前を書くとき、「はて、○×議員は今、どこの政党・会派だったかな」と真剣に考え、調べることが多くなったからだ。
そして、また新しい会派が誕生した。立憲民主党と国民民主党などが衆参両院で統一会派を結成した。衆院は120人、参院は国民に離党届を出した桜井充氏を除き60人。これまでの各党派の名称を並べた衆院の会派名「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」は19文字に達し、現憲法下で最長という。まさに寄せ集めの集団を象徴している。
政権交代を目指すためなのだろうが、どうしても「旧民主党勢力の再結集」との印象は拭えない。安倍晋三首相が言うところの「悪夢のような民主党政権」の再来の気配がする。
その印象を裏付けるため、新会派の議員計180人の政界遍歴を全て調べた。結果は次の通り。示した数字は項目順に足した数字と割合だ。
▽旧民主党で国会議員を経験=114人(会派に占める割合63%)
▽連立政権を組んだ社民、国民新両党で国会議員を経験=117人(65%)
▽旧民進党で国会議員を経験=134人(74%)
▽旧民主・民進で公認・支部長を経験=160人(88%)
▽旧民主で地方議員などを経験=164人(91%)