能登半島、復興への道のり:地震と豪雨の爪痕、ボランティア不足という現実

能登半島を襲った未曾有の災害、2024年1月の地震、そして追い打ちをかけるように9月の奥能登豪雨。あれから1年が経とうとしていますが、復興への道のりは険しく、今もなお多くの人々が苦境に立たされています。今回は、現地で何が起こっているのか、そして私たちにできることは何かを考えてみましょう。

繰り返される災害、疲弊する被災地

2024年1月、能登半島を襲った地震は、家屋やインフラに甚大な被害をもたらしました。地盤の緩みや護岸の崩壊など、地震の爪痕が生々しいまま、9月には記録的な豪雨が追い打ちをかけ、輪島市、珠洲市、能登町を中心に複合的な被害が発生しました。防災科学技術研究所によると、土砂流出箇所は輪島市と珠洲市の一部で約1900カ所にものぼり、地震による約2200カ所に迫る勢いです。

能登半島地震後の復旧活動の様子能登半島地震後の復旧活動の様子

地震を耐え抜いた家屋が、今度は水と土砂に飲み込まれる。仮設住宅でさえ浸水被害に遭う。ようやく生活再建の光が見え始めた矢先に、再びの災害。被災者の方々の心中を察するに余りあります。「心が折れそうだ」という声は、どれほどの苦悩を物語っているのでしょうか。

泥出し、がれき撤去…山積する課題とボランティア不足の深刻化

全壊・半壊とまではいかなくても、泥出しやがれきの除去、清掃など、多くの家屋で人手が必要です。しかし、行政は人命救助や避難所運営、ライフライン復旧など、優先度の高い活動に追われ、すべてをカバーすることはできません。被災者自身で全てを担うのは困難であり、そこで災害ボランティアの力が不可欠となります。

能登半島豪雨災害後の復旧作業の様子能登半島豪雨災害後の復旧作業の様子

しかし、現実は厳しいものです。輪島市社会福祉協議会によると、2024年12月10日時点で、約40件ものボランティア要請が「マッチング待ち」の状態です。これは地震と豪雨、両方の被災を含めた数字です。豪雨直後の9月下旬には、1日で81件もの要請が殺到しました。ピーク時よりは落ち着いてきたとはいえ、3ヶ月が経過してもなお、ボランティアのニーズは高く、供給が追いついていない状況です。

復興支援の輪を広げよう

NPO法人「災害ボランティア支援機構」代表の山田一郎氏(仮名)は、「被災地の復興には、長期的な視点での支援が不可欠です。ボランティア活動への参加はもちろん、寄付や物資の提供など、自分にできる方法で貢献していくことが大切です」と語ります。

被災地は、今もなお私たちの支援を必要としています。自分にできることは何か、改めて考えてみませんか。