石破首相、長期政権へ?意外な「延命」シナリオを読み解く

石破茂首相、少数与党として初の臨時国会を乗り切りました。しかし、10月の総裁選以降、支持率は低迷し、自民党内での基盤も盤石とは言えず、短命政権に終わる可能性が当初から指摘されていました。ところが最近、「案外と長持ちするのでは」との見方が浮上しているようです。そのカギを握るのは、意外にも野党の動きにあるというのです。一体どういうことなのでしょうか?政治ジャーナリストの安積明子氏の分析を交えながら、石破政権の今後の行方を探ります。

低迷する支持率、不安定な政権基盤

「今国会では与野党が、侃々諤々の議論を行いました。まさに熟議の国会、それにふさわしいものになったのではないかと感じているところでございます」

第216回臨時国会最終日の12月24日、石破首相は首相官邸で会見を開き、27日間の臨時国会を総括しました。17日に成立した補正予算では、立憲民主党の要求によって能登半島の復興支援金を積み上げ、28年ぶりに修正可決。林芳正内閣官房長官は24日の会見で、「党派を超えて優れた方策を取り入れるべく工夫していくことが重要だ」と評価しましたが、修正を加えた立憲民主党は、補正予算案に反対しました。

石破首相官邸で会見石破首相官邸で会見

9月の総裁選当選直後から株価が大きく下落し、石破政権発足時の内閣支持率も低迷。10月の衆院選では自民党は56議席減の191議席にとどまり、2005年の郵政民営化選挙以来続いていた衆議院での単独過半数を割り込みました。さらに、連立を組む公明党も32議席から24議席へと8議席減らし、与党全体でも過半数を割り込む結果となりました。「政治とカネ」の問題に足を取られた自民党の影響を受け、公明党は「常勝関西」の大阪で4選挙区全てで敗退、9月に就任したばかりの石井啓一代表(当時)も落選しました。

野党の動向が政権の命運を左右する?

これらの状況から、「石破政権は来年までもたない」との見方が広がっていました。「内閣支持率が低いままでは、自民党は参院選が戦えない」というのがその理由です。

しかし、ここにきて「石破政権は意外ともつのではないか」との声が上がり始めています。その理由として挙げられるのが、野党の動向です。安積明子氏は、「野党が一枚岩でないことが、石破政権にとってプラスに働いている」と指摘します。 立憲民主党内にも様々な路線があり、足並みが揃っていない状況です。共産党との連携を重視するグループ、国民民主党との合流を模索するグループなど、一枚岩とは言えません。野党が効果的な政権批判を展開できないことが、結果的に石破政権の延命につながっている可能性があります。

石破首相、今後の課題と展望

政治アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「石破首相は、経済政策と外交安全保障政策で具体的な成果を上げることが重要だ」と述べています。経済の立て直し、安全保障環境の悪化への対応など、山積する課題に具体的な解決策を示すことで、国民の信頼を回復し、支持率の向上につなげることが求められます。

今後の政局は予断を許しませんが、野党の動向、そして石破首相の手腕が、政権の命運を大きく左右することになりそうです。