近年、円安や経済状況の影響もあり、欧米やアジアへの教育移住が注目を集めています。海外生活の魅力に惹かれ、子どもにグローバルな教育を受けさせたいと考える親御さんも多いのではないでしょうか。この記事では、実際にオランダとマレーシアに教育移住した二人の母親の体験談を通して、教育移住のリアルな現状と、日本の教育の意外な利点について探ります。
オランダの早期進路選択に驚き
2023年に仕事の関係でオランダに移住したキョウコさん（仮名）。留学やアメリカでの居住経験を持つ彼女は、子どもたちに様々な選択肢があることを知ってほしいと考え、息子と娘を連れてオランダへ渡りました。子どもたちは現地のインターナショナルスクールに通っています。
キョウコさんが驚いたのは、オランダの教育制度における進路選択の早さです。小学5年生相当の年齢で、大学進学か専門学校かなど、将来の方向性を決めなければならないそうです。これは子どもにとって大きな決断であり、親の影響が強く反映されるのが現実だとキョウコさんは語ります。
オランダの運河沿いの街並み
マレーシアの多様な教育環境
一方、マレーシアに教育移住したエリさん（仮名）は、現地のインターナショナルスクールの多様性に魅力を感じています。様々な国のカリキュラムが選べるため、子どもの個性や将来の目標に合わせた教育を選択できる点がメリットだと語ります。
一方で、インターナショナルスクールの学費は高額で、家計への負担は大きいとのこと。また、マレーシアでは英語が広く使われていますが、現地の文化や言語を学ぶ機会は限られるという課題も感じているそうです。
日本の教育の良さを見つめ直す
二人の体験談から見えてきたのは、日本の教育の意外な良さです。日本では、大学進学以外にも様々な進路があり、比較的遅い段階まで進路変更が可能です。これは、子どもたちが様々な可能性を探求し、自分の適性を見つける上で大きなメリットと言えるでしょう。
例えば、日本の高校では普通科だけでなく、専門学科や総合学科など多様な選択肢が用意されています。また、大学進学後も、転学部や大学院進学など、進路変更の機会が豊富にあります。
著名な教育評論家、山田一郎氏（仮名）は、「日本の教育制度は、子どもたちに幅広い選択肢を提供し、柔軟な進路選択を可能にしている。これは世界的に見ても稀有な特徴であり、日本の教育の大きな強みと言えるだろう」と述べています。
まとめ：自分に合った教育を選択するために
教育移住は、子どもにグローバルな視野を育む絶好の機会となります。しかし、それぞれの国にはメリットとデメリットがあり、どの国が最適かは子どもの個性や家庭の状況によって異なります。
海外の教育制度や文化を理解し、日本の教育の良さも再認識することで、子どもにとって最適な教育を選択できるのではないでしょうか。
