三笠宮妃百合子さまの逝去から五十日となる3日、豊島岡墓地(東京都文京区)で墓所五十日祭の儀が執り行われました。穏やかな冬の陽射しの中、皇族方々が故人を偲び、静かに祈りを捧げる姿が見られました。
百合子さまの生涯を振り返り、その功績を称える
昨年11月28日に101歳で逝去された百合子さま。高松宮宣仁親王の妃として皇室に嫁がれ、戦後の混乱期から高度経済成長期、そして平成、令和と激動の時代を皇室と共に歩まれました。長年にわたり、社会福祉活動や国際親善に尽力され、多くの人々から敬愛を集めました。特に、ハンセン病療養施設への訪問は数十年に及び、患者とその家族に寄り添う姿は深く人々の心に刻まれています。
三笠宮妃百合子さまの「墓所五十日祭の儀」で墓所へ向かわれる喪主で孫の彬子さま(3日午後、東京都文京区の豊島岡墓地で)=代表撮影
厳かに執り行われた五十日祭の様子
五十日祭には、喪主を務めた孫の彬子さまをはじめ、秋篠宮ご一家、寛仁親王妃信子さま、瑶子さま、承子さまら皇族方9人が参列されました。天皇皇后両陛下、上皇ご夫妻はそれぞれ使者を遣わし、墓前に玉串を奉納。続いて皇族方が深く拝礼し、百合子さまの冥福を祈られました。祭壇には、百合子さまが生前好まれた白い菊の花が飾られ、厳粛な雰囲気の中にも温かみを感じさせる空間が創出されていました。
参列者の静かな祈り、故人への深い想い
参列者の中には、時折涙を拭う姿も見られました。百合子さまの温かい人柄と、皇室、そして社会への多大なる貢献を偲び、深い悲しみに暮れている様子が伺えました。五十日祭は、故人の霊を慰め、安らかな眠りを祈る大切な儀式。皇族方の静かな祈りは、百合子さまへの深い敬愛と感謝の気持ちを表しているように見えました。
百合子さまの遺志を継ぎ、未来へ
百合子さまは生前、日本の伝統文化の継承にも力を注いでこられました。その精神は、皇族方々によって受け継がれ、未来へと繋げられていくことでしょう。私たちも、百合子さまの功績を心に留め、平和な社会の実現に向けて努力していくことが大切です。
五十日祭の様子
皇室ジャーナリストの山下晋一郎氏は、「今回の五十日祭は、皇室にとって一つの区切りとなる重要な儀式だったと言えるでしょう。百合子さまの温かいお人柄と社会貢献への情熱は、後世に語り継がれていくべき大切な財産です。」と語っています。