50代になると、人生経験も豊富になり、様々な悩みや不安を抱えることも少なくありません。特に、人間関係における「気持ちを理解してもらえない」という悩みは、多くの人が共感するのではないでしょうか。この記事では、精神科医Tomy氏の著書『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)を参考に、50代からの人間関係における悩みに対する心構えについて、具体的なエピソードを交えて解説します。
気持ちを完全に理解してもらうのは難しい
誰しも、自分の気持ちを相手に100%理解してもらいたいと願うもの。しかし、実際には、それは非常に難しいことです。なぜなら、人はそれぞれ異なる環境で育ち、異なる価値観や考え方を持っているからです。たとえ親子や夫婦、長年連れ添ったパートナーであっても、完全に分かり合えるとは限りません。
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例えば、子育て中の母親が、夫に育児の大変さを理解してもらえず、孤独を感じているとします。夫は仕事で疲れて帰ってきて、家事や育児を手伝う余裕がないのかもしれません。お互いに相手の状況を理解しようと努めてはいても、立場や考え方の違いから、すれ違いが生じてしまうのです。
大切なのは「知ろうとする姿勢」
では、気持ちを理解してもらえない苦しみをどう乗り越えれば良いでしょうか? 精神科医Tomy氏は、著書の中で「気持ちを完全に理解してもらうことよりも、知ろうとしてくれる姿勢が大切」と述べています。
ある有名な料理研究家は、「レシピ通りに作っても同じ味にならない」という相談をよく受けるそうです。彼女は、「大切なのは、レシピを完璧に再現することではなく、素材の味を感じながら、自分なりに工夫すること」だとアドバイスしています。人間関係も同じで、相手の気持ちを完全に理解できなくても、理解しようと努力する姿勢が重要なのです。
心理学者の山田花子さん(仮名)は、「共感」と「同情」の違いについて次のように述べています。「同情は、相手の状況を可哀想だと思う気持ちですが、共感は、相手の気持ちに寄り添い、共に感じることです。真のコミュニケーションには、共感が必要不可欠です。」
相手の言葉に耳を傾け、気持ちを想像する
相手の気持ちを理解しようと努力することは、良好な人間関係を築く上で非常に重要です。具体的には、相手の言葉に耳を傾け、表情や仕草を観察し、気持ちを想像してみましょう。たとえ言葉では表現されなくても、相手の気持ちを汲み取ろうとする姿勢が伝われば、信頼関係は深まるはずです。
気持ちを理解されなくても、前向きに
50代になると、これまでの人間関係を見直し、新たな人間関係を築く機会も増えます。気持ちを完全に理解してもらえなくても、知ろうとしてくれる人がいることに感謝し、自分も相手の気持ちを理解しようと努力することで、より豊かな人間関係を築き、充実した人生を送ることができるでしょう。